ひろげよう人権|東京人権啓発企業連絡会

書籍紹介

お薦めする人権関係図書です。書籍紹介の「内容の概略」は出版社の紹介文を引用しています。
書籍の価格は、定価(本体)+税になります。

人権全般

「多様性時代」の人権感覚
~実例に学ぶ人権ノート~
著者 澤田 省三
出版 花伝社
定価 1,700円
発行 2024年7月25日
ジェンダー、DV、いじめ、共同親権、過労死、冤罪……わたしたちが直面する人権問題に、どう向き合っていけばよいのか?ジェンダーギャップをはじめ、国際的にも指摘される日本の遅れた人権環境。多様性の時代を迎え、ますます複雑化する人権問題を前に、私たちは何を、どう変えていくべきなのか。具体的な事例をもとに、一人ひとりの意識をアップデートするための手がかりを探る。職場で、教育現場で、家庭で、いま求められる「人権」のあるべきかたち
老後ひとり難民
著者 沢村 香苗
出版 幻冬舎
定価 900円
発行 2024年7月31日
子どもがいなければ、いずれは“老後ひとり難民”に。入院できない!施設に入れない!死後は無縁仏に!?準備不足な“おひとりさま”の悲惨な末路。世はおひとりさまブームで、独身人口は増え続けるばかり。だが、そのまま老後を迎えて本当に大丈夫だろうか? 配偶者や子どもなどの“身元保証人”がいない高齢者は、入院だけでなく、施設への入居を断られることも多い。高齢で体が不自由になるなか、認知機能の低下で金銭管理が怪しくなり、果ては無縁仏になるケースも。本書ではこのような現実に直面し、かつ急増している高齢者を「老後ひとり難民」と呼び、起こりがちなトラブルを回避する方法と、どうすれば安心して老後を送れるのかについて解説。読むだけで老後の生き方・考え方が劇的に変わる一冊。
朝鮮植民地戦争
~甲午農民戦争から関東大震災まで~
著者 愼 蒼宇
出版 有志舎
定価 3,600円
発行 2024年7月30日
朝鮮の人びとは甲午農民戦争以降、50年以上にわたって日本の侵略と植民地戦争にさらされ続けた。それは彼我の力が圧倒的に違う「非対称戦争」であるがゆえに凄惨なジェノサイドを伴い、その延長線上に関東大震災時の朝鮮人虐殺は起こったのである。平時のない植民地戦争のなかで虐殺体験や朝鮮民衆への憎悪・恐怖を内面化した日本軍人・兵士たちと、その暴力にさらされながらも抵抗し続けた朝鮮民衆の姿を通して、植民地近代論のように、抵抗の領域を歴史の表舞台から周辺化しようとする傾向を批判し、日本近代史に圧倒的に不在だった植民地戦争の実態を描き出す。
「もう差別なんてない」と思っているあなたへ
~アメリカの経験から日本の現在と未来を考える~
著者 森川 美生
   大森 一輝
出版 小鳥遊書房
定価 1,400円
発行 2024年9月20日
「差別」でなく「区別」ならいいの?差別をなくそうとするのは正義の押し付けなの?
ジェンダー・ギャップ指数が最低レベルのこの国では、進学、就職、職場と「世間」に踏み込んでいくほど、女性であることで別扱いを受ける。外国人や自己主張をするマイノリティが増えるなか、ネット上でもリアルでもヘイトが蔓延している。そう、「差別」は、どこにでも存在しています。見えない/見ないだけ。
自分が何に縛られているのか、本書を通して、一緒に考えましょう。
みんながんばってるのになんで世の中「問題だらけ」なの?
~知識ゼロからの社会課題入門~
著者 安部 敏樹
出版 ニューズピックス
定価 1,800円
発行 2024年12月24日
「知らなかった」で誰かを傷つける、その前に。
タブーなし。きれいごとなし。
マンガと対話形式でするする読めて、まるっとわかる。
日本一社会課題に詳しい東大卒・元「問題児」、8年ぶりの著書。
個別の課題に興味がなくとも、これを読めば、身近な違和感とあらゆる社会課題のつながりが見えてくる。
ネットやニュースではわからない、社会の見方を一新する一冊。
これまでにない「社会課題」入門書。
「帰れ」ではなく「ともに」
~川崎「祖国へ帰れは差別」裁判とわたしたち~
著者 石橋 学
   板垣 竜太
   神原 元
   崔 江以子
   師岡 康子
出版 大月書店
定価 1,800円
発行 2024年10月22日
ヘイトスピーチ裁判の画期をなす「祖国へ帰れ」は差別で違法との判決。泣き寝入りしない当事者の闘い、「多文化共生のまち」川崎での住民運動の成果である。判決の意義を明らかにし、共生社会実現のための新たな法制度を問う。
詳説 ビジネスと人権
著者 日本弁護士連合会国際人権問題委員会 編
出版 現代人文社
定価 3,600円
発行 2022年4月30日
ビジネスと人権をめぐる今日の世界中の取組みの基本的なテキストとなっている国連が示した「指導原則」。日本においても、遅ればせながら2020年に「『ビジネスと人権』に関する行動計画(2020-2025)」が策定されて、そうした各方面の関係者が同じ方向を目指す取組みがはじまっている。本書は、日常的にビジネスと人権に、被害者側と企業側などさまざまな立場で実務を扱ってきた弁護士による、包括的な情報と実務的な指針を提供する。
原爆の悲劇に国境はない
~被爆者・森重昭 調査と慰霊の半生~
著者 森重昭・森佳代子
出版 朝日新聞社
定価 1,800円
発行 2023年8月1日
2016年米大統領として初の広島訪問を果たしたオバマ氏との抱擁で知られる森重昭氏は8歳で被爆。一命を取り留めた。会社勤めをしながら、原爆投下時、米兵捕虜12人が被爆死した事実を知り、その遺族を突き止めた。核の前に「敵も味方もない」との一心から遺族探しと慰霊に捧げた半生を妻・佳代子氏とともに語り尽くす。
ダイバーシティ・女性活躍はなぜ進まない?
~組織の成長を阻む性別ガチャ克服法~
著者 羽生 祥子
出版 日経BP
定価 1,800円
発行 2024年6月17日
1部●ダイバーシティが進まない日本の性別ガチャ
国・企業・家庭の"性別ガチャ"と克服法を解説。
ダイバーシティが経営に必要な3つの理由は
投資家対策/人材獲得・離職防止/イノベーション
2部●現場あるある質問&お悩み10に一挙回答!
女性を役員にして業績が上がるの?/海外の方法は
うまくいかない/DEIって何?職場に平等は不要
女性にも原因がある!/女性管理職候補がいない等
3部●先進企業・実名入り、項目別★実践ノウハウ
社内意識調査、数値目標/女性リーダー育成/
スポンサーシップ/男性育休/中小企業の場合等
うたに刻まれたハンセン病隔離の歴史
~園歌はうたう~
著者 沢 知恵
出版 岩波書店
定価 620円
発行 2022年11月8日
「民族浄化」「一大家族」「楽土」の歌詞を、ともに声あわせうたった園歌。だれが何の目的でつくったのか。上から押しつけられただけのうただったのか。ハンセン病回復者と長年かかわりつづけてきた歌手である著者が、13あるすべての国立療養所をたずねてそのなぞを追った旅物語。「うたの力」を問いかける稀有な記録。
体験格差
著者 今井 悠介
出版 講談社
定価 900円
発行 2024年4月18日
習い事や家族旅行は贅沢?
子どもたちから何が奪われているのか?
この社会で連鎖する「もうひとつの貧困」の実態とは?
日本初の全国調査が明かす「体験ゼロ」の衝撃!

「昨年の夏、あるシングルマザーの方から、こんなお話を聞いた。
息子が突然正座になって、泣きながら「サッカーがしたいです」と言ったんです。
それは、まだ小学生の一人息子が、幼いなりに自分の家庭の状況を理解し、ようやく口にできた願いだった。たった一人で悩んだ末、正座をして、涙を流しながら。私が本書で考えたい「体験格差」というテーマが、この場面に凝縮しているように思える。
大学生がレイシズムに向き合って考えてみた
~差別の「いま」を読み解くための入門書~
著者 貴堂 嘉之 監修
   一橋大学社会学部貴堂ゼミ生&院ゼミ生有志 著
出版 明石書店
定価 1,600円
発行 2023年11月15日
レイシズム、それってなに?日本に人種差別はないんでしょ?
日本や自分とは関係ない話、遠い国の問題だとされる「レイシズム」。アメリカ史ゼミの学生たちが、歴史を丁寧に紐解きながらレイシズムをめぐる様々な「問い」に真摯に向き合った、社会とわたしをつなぐQ&A集。
コーダ
~きこえない親の通訳を担う子どもたち~
著者 中津 真美
出版 金子書房
定価 1,800円
発行 2023年12月25日
聴覚障害のある親の通訳の役割を巡り揺れ動くコーダの思いと親子関係について、多くのコーダと親の語りを通じて解説・分析する1冊。
それは丘の上から始まった
~1923年横浜の朝鮮人・中国人虐殺~
著者 後藤 周
出版 ころから
定価 1,800円
発行 2023年9月1日
1923年、関東大震災直後の横浜は朝鮮人暴動などの流言が発生し、虐殺が行われた発火点だったーー。

市街のほとんどを焼失した市民は、「平楽の丘」と呼ばれる南部丘陵地へと逃れた。そこでは、震災当夜から「朝鮮人が暴動を起こしている」などといった流言が広がり、そして名も知らぬ朝鮮人や中国人を虐殺する事件の引きがねとなった。
30年以上にわたってこの史実を検証してきた著者が、150号を超える私家版「研究ノート」や数多くのフィールドワークをもとにまとめた。

デマがどうして横浜で発生したのか、なぜ虐殺を防げなかったのか、膨大な資料とともに当時を生きた人たちの顔が見える筆致で描く。100年前の虐殺事件の「なぜ?」を知るためのマスターピースとなる一冊。
「差別」のしくみ
著者 木村 草太
出版 朝日新聞出版
定価 1,800円
発行 2023年12月11日
「差別と偏見はどう違う?」「差別と区別は?」──差別が許されないことには、ほとんどの人が賛同する一方で、その定義は難しい。法律家の間でも、そのあいまいさに苦戦している。同性婚・夫婦別姓などのジェンダーをテーマにした「差別」から、人種をめぐる「差別」まで、その構造を気鋭の憲法学者が徹底検証する。
在日という病
~生きづらさの当事者研究~
著者 朴 一(パク イル)
出版 明石書店
定価 2,200円
発行 2023年10月31日
在日コリアン三世として日本で生まれた著者は、どのような生きづらさを感じてきたのか。
65年にわたる在日生活史を、生まれ、結婚、就職、入居から国籍条項、参政権、メディア発信とバッシングなどのトピックで分析、記述する。
排除と同化を突き付けられる中、受容して生きなければならない「在日という病」の本質に迫る当事者研究。
アイヌもやもや
~見えない化されている「わたしたち」と、そこにふれてはいけない気がしてしまう「わたしたち」の。~
著者 北原 モコットゥナシ
(漫画) 田房 永子
出版 303 BOOKS
定価 1,600円
発行 2023年12月12日
日本の民族的マイノリティであるアイヌ。北海道が舞台のドラマでもその姿を目にすることはめったになく、教科書に載っているのも民族衣装を着た姿ばかり。非アイヌにとって、今を生きるアイヌの姿は、まるで厚い「もや」の向こう側にあるかのようです。アイヌは、どんなことに「もやもや」を感じているのか? その「もやもや」はどこから来るのか? 無知・無理解や差別の構造、そしてマイノリティとマジョリティの関係など、北原モコットゥナシが様々な視点から考察してゆきます。
関東大震災 朝鮮人虐殺の真相
~地域から読み解く~
著者 関原 正裕
出版 新日本出版社
定価 1,800円
発行 2023年7月1日
百年前の痛ましい出来事。教科書には、"流言が広がる中、自警団などにより殺傷された"などとある。では流言はなぜ流れ、また自警団とはどういう人々だったか。事実を認めず真相を「歴史家がひもとく」などとする政治家もいる中、埼玉で真実を探求してきた歴史家が、具体的物証とスケール大きな時代把握で解き明かす!
聞き取り もうひとつの隔離
~ハンセン病療養所附属保育所に収容された子どもたちの人生~
著者 福岡 安則
出版 解放出版社
定価 3,000円
発行 2023年9月30日
ハンセン病問題にとりくむ社会学者が、療養所附属保育所で育った人を中心にハンセン病罹患者の家族から聞き取った苦悩の半生を記録。
ルポ無料塾
~「教育格差」議論の死角~
著者 おおたとしまさ
出版 集英社
定価 960円
発行 2023年12月15日
教育格差は絶対悪なのか?
機会の平等が実現された先にある「本当の地獄」とは?
経済的に余裕のない家庭の子どもに勉強を教える「無料塾」は、学歴が収入や地位に直結する現代で子どもを救う存在となっている。一方、無料塾は重大な問いを社会に投げかける。生育環境による教育格差を埋めることは重要だが、受験戦争のさらなる先鋭化に加担することにならないか。
また、仮に機会の平等さえ実現したら、そのなかで競争に負けた者は自己責任でいいのか。さまざまなタイプの無料塾への取材からそれぞれのジレンマをあぶり出し、これまでの教育格差の議論で見落とされてきた死角に光を当てる、迫真のルポルタージュ。

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