ひろげよう人権|東京人権啓発企業連絡会

書籍紹介

お薦めする人権関係図書です。書籍紹介の「内容の概略」は出版社の紹介文を引用しています。
書籍の価格は、定価(本体)+税になります。

その他

「叱れば人は育つ」は幻想
著者 村中 直人
出版 PHP研究所
定価 1,130円
発行 2024年7月12日
村中直人氏は、脳・神経科学などの知見から、叱ることには「効果がない」と語る。叱られると人の脳は「防御モード」に入り、ひとまず危機から逃避するために行動を改める。叱った人はそれを見て、「ほら、やっぱり人は叱らないと変わらない」と思ってしまうのだが、叱られた当人はとりあえずその場の行動を変えただけで、学びや成長を得たわけではないのだ。そして厄介なことに、人間には「よくないことをした人を罰したい」という欲求が、脳のメカニズムとして備わっているため、叱ることで快感を得てしまうのである。では、どうすれば人は成長するのか。本書は臨床心理士・公認心理師で、発達障害、不登校など特別なニーズのある子どもたち、保護者の支援を行ってきた著者が、「叱る」という行為と向き合ってきたさまざまな分野の識者4人と、叱ることと人の学びや成長について語り合った一冊である。
これから大人になるアナタに伝えたい10のこと
~自分を愛し、困難を乗りこえる力~
著者 サヘル・ローズ
出版 童心社
定価 1,650円
発行 2024年11月30日
戦争に人生を翻弄され、養母とともに来日してからも、貧困やいじめに苦しんだサヘル・ローズ。
幼少期から積み重なった辛い経験は、心に大きな穴を空けてしまったといいます。
けれど、さまざまな出会いを経て、彼女は自分の心の形を愛し、笑顔で前を向けるように。
暗闇と孤独の中を生き抜いてきたサヘル・ローズが、悩みの中にいる子どもたちの孤独や痛みに寄り添い、「大丈夫」と元気づけ、自分らしく生きていくためのヒントを語ります。
また彼女は、世界中を旅し、紛争で難民となった人びと・貧困に喘ぐ人びとに会いに行き、支援する活動を続けています。祖国を追われ、貧しさの中で喘いでいる世界中の人びとの現状を知り、自分の心に引き寄せて見つめていきます。
その旅は、幼き日の自分を救うための旅でもありました。
旅の中で世界の現実を目の当たりにし、彼女がたどり着いた「真実」とは?
未来の大人に向けて、自分を愛し、他者と手を取り合って生きていくヒントが詰まった、サヘル流「人生指南書」。
格差の“格”って何ですか?
~無自覚な能力主義と特権性~
著者 勅使川原 真衣
出版 朝日新聞出版
定価 1,600円
発行 2025年1月20日
「『わかる』とは?に挑んだ意欲作。「要するに」病の人にこそ、ぜひ読んでほしい」――山口周氏推薦! 「タイパ」重視、「自己肯定感」育て、「ウェルビーイング指標」の活用、「自立」の推進、「リスキリング」のススメ、「機嫌」を良くする方法、「成長」の希求、「つぶしが効く」能力……。社会でもてはやされる「よりよい生き方」「しあわせになる方法」を疑い、軽やかに解きほぐす20の問い。
何が教師を壊すのか
~追いつめられる先生たちのリアル~
著者 朝日新聞取材班
出版 朝日新聞出版
定価 840円
発行 2024年4月12日
定額働かせ放題、精神疾患・過労死、人材使い捨て、クレーム対応……志望者大激減と著しい質の低下。追いつめられる教員の実態。先生たちのリアルな姿を描き話題の朝日新聞「いま先生は」を再構成・加筆して書籍化。
カマやんの 日本一めんどくさい 釜ヶ崎まちづくり絵日誌
著者 ありむら 潜
出版 明石書店
定価 2,800円
発行 2024年6月15日
大阪・釜ヶ崎に生きるホームレスのカマやんを主人公にした4コマ漫画と、著者がこの町で関わるまちづくりに関するエッセイを合体。日雇い労働者の町から「西成特区構想」やインバウンドで変わりゆく状況を活写し、地域の生活誌としても貴重な記録。
それでも、対話をはじめよう
~対立する人たちと共に問題に取り組み、未来を作り出す方法~
著者 アダム・カヘン
出版 英治出版
定価 2,100円
発行 2023年7月20日
相手が話している時に、つい頭の中で反論を組み立てたり、答えを探したりしてしまった経験のあるすべての人へ。
アパルトヘイト後の南アフリカの政権以降、コロンビアの内戦、虐殺の余波の残るグアテマラ……
世界50カ国以上で、企業の役員、政治家、軍人、ゲリラ、市民リーダー、コミュニティ活動家、国連職員など、異なる意見を持つ人々と共に数々の困難な問題に取り組んできた世界的ファシリテーターが目の当たりにしてきた数々のストーリーから浮かび上がる、シンプルだけど難しいオープンに聞き、話すことの力。
15年以上読みつがれてきた不朽の名作が、完全新訳&解説つきで装い新たに復刊。
多様な意見が溢れる今だからこそ読みたい、原点の一冊。
この国の同調圧力
著者 山崎 雅弘
出版 SBクリエイティブ
定価 900円
発行 2023年7月6日
日本はなぜ、
ここまで息苦しいのか?

日本人は、なぜこれほどまでに「同調圧力」に弱いのか? 私たちの心と行動から自由を奪う「見えない力」をさまざまな角度から分析し、その構造を読み解き、正体を浮かび上がらせる、現代人必読の書。
生成AI
~「ChatGPT」を支える技術はどのようにビジネスを変え、人間の創造性を揺るがすのか?~
著者 小林 雅一
出版 ダイヤモンド社
定価 1,800円
発行 2023年7月4日
言葉を理解し、文章や画像だけでなくプログラミングコードすら生み出す生成AIは社会をどのように変えるのか? 中心となるOpenAIやマイクロソフト、それに対抗するグーグルなどテック企業の思惑とは? 超スピードで進むAIの進化と社会変革についていくための基礎教養をまとめた、現時点の最良のレポート。
ガザとは何か
~パレスチナを知るための緊急講義~
著者 岡 真理
出版 大和書房
定価 1,400円
発行 2023年12月22日
【緊急出版!ガザを知るための「まず、ここから」の一冊】
2023年10月7日、ハマース主導の越境奇襲攻撃に端を発し、イスラエルによるガザ地区への攻撃が激化しました。長年パレスチナ問題に取り組んできた、パレスチナ問題と現代アラブ文学を専門とする著者が、平易な語り口、そして強靭な言葉の力によってさまざまな疑問、その本質を明らかにします。
今起きていることは何か?パレスチナ問題の根本は何なのか?イスラエルはどのようにして作られた国?シオニズムとは?ガザは、どんな地域か?ハマースとは、どのような組織なのか?いま、私たちができることは何なのか?
今を知るための最良の案内でありながら、「これから私たちが何を学び、何をすべきか」その足掛かりともなる、いま、まず手に取りたい一冊です。
ネット右翼になった父
著者 鈴木大介
出版 講談社
定価 900円
発行 2023年1月19日
ヘイトスラングを口にする父
テレビの報道番組に毒づき続ける父
右傾したYouTubeチャンネルを垂れ流す父
老いて右傾化した父と、子どもたちの分断
「現代の家族病」に融和の道はあるか?
ルポライターの長男が挑んだ、家族再生の道程!
無意識のバイアスを克服する
~個人・組織・社会を変えるアプローチ~
著者 ジェシカ・ノーデル
訳者 高橋璃子
出版 河出書房新社
定価 2,700円
発行 2023年5月26日
私たちが意識的に持つ信念と衝突する、意図的でない偏見に満ちた行動。職場や医療現場、教育の場、警察など、私たちは、それが存在し、その場を腐敗させ、時には致命的な影響さえ与えることを知っている。しかし、そうした偏見を払拭するには、多大な努力が必要だ。10年にわたってこの問題に取り組んできた著者は、科学的研究と多くのインタビューとを織り交ぜながら、我々の心と行動がどのように変化していくのかを明らかにする。ジョンズ・ホプキンス病院の医師が使用した診断チェックリストが医療における男女の差別的扱いをなくしたこと、スウェーデンの幼稚園で教師がジェンダー・ステレオタイプを根絶するためにした工夫、オレゴン州の警察でマインドフルネスの実践と専門トレーニングにより武力行使が驚くほど減少したこと-著者は何が有効で、それはなぜなのかを探っていく。偏見に満ちた行動は変えられる。本書に概説されているアプローチは、私たち自身と、私たちの世界を作り直す方法を示している。たとえ悪意がなくても、公平に接しているつもりでも、人を差別してしまうことはある。公正でありたいという気持ちと、現に起こっている差別との落差を言い表すために生まれたのが、「無意識のバイアス」という言葉だ。本書の目的は、そんな無意識のバイアスに終止符を打つことだ。
~ある新聞記者がみた沖縄50年の現実~
沖縄「格差・差別」を追う
著者 羽原 清雅
出版 書肆侃侃房
定価 1,600円
発行 2022年5月15日
5月15日。本土復帰から50年。
沖縄における格差や差別。限りない理不尽さは昨日今日、始まったわけではない。明治初期、山県有朋の時代に作り上げられた、実に150年に及ぶ軍事体制がいまも変わらず沖縄を苦しめる。民衆に支持されない、いかなる権力もいつかは破綻する。決して妥協はするな。歴史に学べば、望むべき道は見えてくる。
聞く技術 聞いてもらう技術
著者 東畑 開人
出版 筑摩書房
定価 860円
発行 2022年10月6日
「聞く」は声が耳に入ってくることで、「聴く」は声に耳を傾けること――。「聴く」のほうがむずかしそうに見えて、実は「聞く」ほうがむずかしい。「聞く」の不全が社会を覆ういまこそ「聞く」を再起動しなければならない。そのためには、それを支える「聞いてもらう」との循環が必要だ。小手先の技術から本質まで、読んだそばからコミュニケーションが変わる、革新的な一冊。
デマ・陰謀論・カルト
~スマホ教という宗教~
著者 物江 潤
出版 新潮新書刊
定価 780円
発行 2022年11月17日
「国会議員や芸能人はゴムのマスクをかぶったゴム人間ばかり」「トランプ大統領率いる光の銀河連合が闇の政府と戦っている」etc.こんなトンデモ話、いったい誰が信じるのか。普通の人ならそう考えるが、SNS上では想像を超えるほど多くの人々が妄説を発信し続けている。かつての怪しげな新興宗教と違い、実体を伴わないからこそ恐ろしい、ネット世界のデマ、陰謀論、カルトの脅威を徹底分析。
教室の灯は希望の灯
~自主夜間中学「福岡・よみかき教室」の二五年~
著者 木村 政伸
出版 福岡県人権研究所
定価 1,100円
発行 2022年6月24日
教育の原点がここにある
笑いがある、つながりがある、出会いがある。福岡市のA中学校に毎週2回、灯がともる自主夜間中学校「福岡・よみかき教室」。
「学び」をもとめて集まる人たち。「教えることは学ぶことである」、林竹二のことばがよみがえる。
ここに登場する学級生は多様である。ノートの一文字一文字に生き方が込められている。
「学び」とは、人と人をつなぐネットワーク。2022年4月九州で最初の公立中学校となる「福岡市立福岡きぼう中学校」が開校した、今こそ自主夜間中学校「福岡・よみかき教室」の歴史に学び、これからの「夜間中学校」の重要性を問題提起する書。
ニッポンを蝕む全体主義
著者 適菜 収
出版 祥伝社
定価 840円
発行 2022年4月26日
近代の大衆が生み出したイデオロギーが、「全体主義」である。困難と義務を放棄した"できそこないの個人"が全体主義社会を望むのだ。20世紀のナチスやソ連、現代では中国などが全体主義国家として挙げられるが、むしろ日本の症状のほうが深刻だと著者は警鐘を鳴らす。そもそも「自己欺瞞」によって近代を受け入れた日本は、全体主義に対峙すべき「保守」が根付かなかった。そこへ、合理性と効率性を追求するグローバリズムと社会の分断を煽る新しいテクノロジーが浸透し、人間性の抹殺が日々進んでいる、と。我々に残された対抗手段はあるのか? ニッポンを蝕む全体主義の正体を暴く。
今すぐ格差を是正せよ!
著者 ベン・フィリップス(著者)
   山中 達也(訳者)
   深澤 光樹(訳者)
出版 筑摩書房
定価 860円
発行 2022年8月4日
かつて不平等を批判することは、左翼的で、非現実的な主張とみなされてきた。しかし、現在では、「不平等の拡大は成長と進歩のために必要」としてきた新自由主義的な国の政府やIMFなどの国際機関も、考え方を改めている。不平等の放置は、不正義であるばかりか、経済成長を阻害し、環境問題への取り組みを妨げる「公共悪」として認識されるようになったのだ。しかし、歴史を見れば明らかなように、認識が変わっても、政府はそう簡単には動かない。政府の重い腰を上げさせるには、市民からの突き上げが不可欠なのだ。
望まない孤独
著者 大空 幸星
出版 扶桑社
定価 830円
発行 2022年3月2日
「助けてください」
「学校でいじめられているわけでもないし、友達や家族と仲が悪いわけでもない。だけど死にたいんです」
「いますぐ命を絶ちたいです」

誰かに頼りたくても頼れない。話したくても、救いを求めたくても、相手がいない――。

日本に暗く横たわる「望まない孤独」を解消するため、一人の現役大学生が立ち上がった。
2020年に開設された24時間365日、誰でも無料・匿名で利用できる相談窓口「あなたのいばしょチャット相談」には、誰にも頼ることができない孤独に苦しむ人々からの相談が、日夜問わず寄せられる。
国会を動かし、孤独・孤立対策担当大臣の設立に繋げた著者が語る「望まない孤独」の正体と、孤独大国・日本が取るべき孤独対策とは。
「戦争と社会」という問い
(編集委員)
   蘭 信三
   一ノ瀬 俊也
   石原 俊
   佐藤 文香
   西村 明
   野上 元
   福間 良明
出版 岩波書店
定価 3,200円
発行 2021年12月24日
暴力をコントロールする手段として社会に深く根差してきた戦争は、殺戮や貧困など様々な悲劇を生み出すと共に、自由・平等・豊かさなどの普遍的価値の誕生にも関わってきた。従来の戦争のあり方が大きく変わりつつあるいま、戦時/平時を問わず社会のなかに遍在する戦争や軍事に対抗するための理論的な構図を提示する。
ルポ路上生活
著者 國友 公司
出版 KADOKAWA
定価 1,500円
発行 2021年12月27日
2021年夏、オリンピックを横目にホームレスと共に生活を見つめた記録
果たして貧困とは何なのか?
2021年夏、オリンピックを横目にホームレスと共に生活を見つめた衝撃の記録。
一日七食のホームレス!? 貯金ができるカラクリとは?
寝床探しから襲いかかる災害・犯罪の恐怖まで、家に帰らず2カ月間の徹底取材。
大阪・西成のドヤ街で暮らした日々をまとめた『ルポ西成』で鮮烈デビューを果たした著者が、《生活》の常識を根底から問い直すドキュメント。

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