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身近な人権に関する法律 (No.2)/児童虐待防止法 (児童虐待の防止等に関する法律)

身近な人権に関する法律 (No2)/児童虐待防止法 (児童虐待の防止等に関する法律)

1.児童虐待とは

子どもに対する虐待については、様々な捉え方がありますが、児童虐待防止法では、保護者がその監護する児童(18歳未満)に対し、次に揚げる行為をすることと定義づけています。

(1) 児童の身体に外傷が生じ、または生じるおそれのある暴行を加えること。
(2) 児童にわいせつな行為をすること、または児童をしてわいせつな行為をさせること。
(3) 児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食、又は長時間の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること。
(4) 児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。

2.では、「どんな法律なの」→2000年11月 施行

児童虐待が児童の心身の成長や人格の形成に重大な影響を与えることから、児童虐待の防止に関する対応を促進することを目的とした法律で、当然、「何人も児童に対して虐待をしてはならない」旨が規定されています。

特に、この法律の注目すべき点は、児童虐待を発見しやすい立場にある学校の教職員・児童福祉施設の職員・医師・弁護士等に早期発見義務がある旨が明記されたり、児童虐待を発見した人は、速やかに福祉事務所や児童相談所に通告する義務がある旨が明記されていることです。

3.現状はどうだろう

児童相談所の児童虐待相談処理件数は、年々増加しており、2001年度には、全国で23,274件もあり、過去10年で約20倍に増えています。

また、その相談の種別を見ると、
● 身体的虐待:10,828件 (46.5%)
● 保護の怠慢・拒否:8,804件 (37.8%)
● 心理的虐待:2,864件 (12.3%)
● 性的虐待:778件 (3.3%)
となっています。
(厚生労働省大臣官房統計情報部「社会福祉行政業務報告」より)

上記は、児童相談所における相談処理件数ですが、この他に保健所など他の機関で児童虐待が発覚する場合もあり、更に、顕在化しないケースも考えると児童虐待の実態は想像を絶するものがあるのではないでしょうか!

また、虐待をした人の内訳を見ると、実母58%・実父25%・義父7%・義母2%となっています。実母の虐待割合が増える傾向にあり、厚生労働省は「育児不安による母親のストレスが高まっている」との見方をしており、母親が幼児期に親から虐待を受けていると自らが親になった時に虐待を繰り返す傾向が強いともいわれています。

4.私たちはどのような視点でとらえたらよいのかな

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子どもの健康は大丈夫ですか?

児童虐待の相談件数がこんなに多いとは……
児童虐待は、子どもが人間らしく幸せに生きる願いや権利を無残に踏みにじる決して許されない行為です。

子どもは、大人からの虐待に全く無力です。そんな子どもたちを救済する手段としては、私たち市民の一人ひとりが早く虐待の事実に気づき、児童相談所等の専門機関の手に委ねることも必要です。

そのためには、日頃から地域住民のコミュニケーションが一層求められるでしょうし、私たち一人ひとりが子どもの虐待防止に対して関心を持つことが必要なのではないでしょうか。

そして、虐待を受けている子どもを守り、また、その家族を支援していく中心は、自治体の支援体制を含めた「地域」にあるという認識を持つことが大切であると思います。自分たちの自治体ではどんな取り組み(相談・通報窓口は?どんな対応をしてくれるのか?)をしているのかを調べたり、私たちは何が出来るのかを家族と一緒になって話し、考えてみてはいかがでしょうか。

山田秀雄編著「Q&Aドメスティック・バイオレンス法 児童虐待防止法解説」
三省堂2001年

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