ひろげよう人権|東京人権啓発企業連絡会

書籍紹介

お薦めする人権関係図書です。書籍紹介の「内容の概略」は出版社の紹介文を引用しています。

新着図書

人権全般

だれも私たちに「失格の烙印」を押すことはできない
著者 キム・ウォニョン
訳者 五十嵐真希
出版 小学館
定価 1,800円
発行 2022年12月14日
すべての生には価値があり、美しい
韓国のベストセラー日本上陸!
2018年「今年の人権書」受賞
ソウル大卒の弁護士、俳優、そして骨形成不全症のため車いすユーザーの著者が、障害者や人とちがった容姿や性的指向の人々など「失格の烙印」を押されがちな人生には、価値があって美しいことを、理性的に論理的に弁論します。
「すべての人に尊厳がある」といわれても、それは現代社会ではあまりに当たり前のことで、深く考えることはないかと思います。しかし、著者は、「すべての人に尊厳があるとしたらその根拠はなにか?」を深く思索し、古今東西の事例や書物からひも解きます。 読み終わったときには、人生観がガラリと変わるはずです。
「ロングフルライフ(不当な生)訴訟」「合理的配慮」
「ジョゼと虎と魚たち」「コーダ」
「ディボティー(障害のある身体への欲望)」「三島由紀夫」…
さまざまなキーワードから現代を俯瞰する、画期的な人文書の誕生です。

障がい者

見えないボクと盲導犬アンジーの
目もあてられない日々
著者 栗山龍太
企画構成・イラスト エイイチ
出版 小学館
定価 1,500円
発行 2023年3月15日
全盲の著者と盲導犬を綴るコミックエッセイ 全盲の教師であり、シンガーソングライターでもある著者(栗山龍太)と盲導犬アンジーの日常を綴るコミックエッセイ。「出不精な盲導犬もいる」「盲導犬と間違えて人の頭をなでてしまった!」「自動販売機はロシアンルーレット」「見えない僕は、停電の暗闇では無敵になる」等々、著者と盲導犬「二人」の身の回りに起きる日常の出来事を、ユーモラスなマンガとエッセイで面白く、ときにちょっぴり悲しく描きます。大人から子どもまで楽しめます。

女性・性差別

10代から知っておきたい
女性を閉じ込める「ずるい言葉」
著者 森山至貴
出版 WAVE出版
定価 1,500円
発行 2023年1月19日
twitterで大きな反響を呼んだ話題書、待望の新刊!!
差別を考える社会学者が、女性が浴びせられがちな「ずるい言葉」から逃れる手がかりを伝授!
「女性の割には話が通じるね」
「子どもがいないからできることだね」
「女の子に淹れてもらったお茶はおいしい」「そんな恰好してるのも悪いんじゃない?」「その年まで独身なら結婚(出産)は考えてないんでしょ?」
「女を捨ててるね」
日頃から社会でもSNSでもよく耳に、そして目にする言葉です。
でも、なんだかモヤモヤしませんか?
そしてモヤモヤしつつも「まったく的外れではないし……」と受け入れてたり、あるいは聞き流してしまったりしていませんか?これらはすべて、女性を勝手に区別したり、枠にはめこもうとしたりする「ずるい言葉」です。こうした言葉がなぜ人の口から発せられてしまうのか、そこにどんな意図や背景があるのかを、気鋭の社会学者が丁寧に分析・考察していきます。また、そういった言葉を浴びせられてしまったとき、どのように考え、対処したらいいのかについてのヒントも、各項目ごとにまとめています。
刊行直後からSNSで多くの共感の声を集めた前著、『10代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」』にならい、理解を深めるための関連用語を解説するとともに、本書ではさらに、著者がこうした言葉について考えるきっかけとなった関連書籍も紹介します。
まだまだ日本では、「女性=社会的弱者」。「女性」であるという理由で“こうあるべき”を押し付けられたり軽視されたりしないよう、自由に生きられるヒントをお伝えしていきます。 また、言ってしまいそうな側にいる人たちにもぜひ読んでほしいと思います。

女性・性差別

職場で使えるジェンダー・ハラスメント対策ブック
~アンコンシャス・バイアスに斬り込む戦略的研修プログラム~
著者 小林敦子
出版 現代書館
定価 2,000円
発行 2023年6月8日
お茶くみや受付係、秘書等の補佐的な仕事をさせられる、リーダーとしての経験を積ませてもらえない……。
そんな「性役割に関するハラスメント」、すなわちジェンダー・ハラスメントを防止する研修をおこなってきた著者が、組織におけるジェンダー・ハラスメントの実態を分析し、対策方法を説く。
昨今数多のハラスメント対策本が刊行されているものの、ジェンダー・ハラスメント対策に特化した実用書は、日本ではおそらくこれが最初の書籍となる。

同和問題

被差別部落に生まれて
~石川一雄が語る狭山事件~
著者 黒川みどり
出版 岩波書店
定価 2,500円
発行 2023年5月17日
戦後を代表する冤罪事件「狭山事件」。被差別部落に生まれた、ただそれだけの理由で石川一雄は殺人犯として逮捕された。貧困ゆえの無学に苦しんだ生い立ち、三〇年に及ぶ獄中生活と部落問題への眼ざめ、仮釈放後も続く無罪を勝ち取るための闘い――その半生を辿りながら、部落差別が冤罪を生み出したことを明らかにする。

女性・性差別

トランスジェンダー入門
著者 周司あきら、高井ゆと里
出版 集英社
定価 960円
発行 2023年7月14日
トランスジェンダーとはどのような人たちなのか。
性別を変えるには何をしなければならないのか。
トランスの人たちはどのような差別に苦しめられているのか。
そして、この社会には何が求められているのか。
これまで「LGBT」と一括りにされることが多かった「T=トランスジェンダー」について、さまざまなデータを用いて現状を明らかにすると共に、医療や法律をはじめその全体像をつかむことのできる、本邦初の入門書となる。
トランスジェンダーについて知りたい当事者およびその力になりたい人が、最初に手にしたい一冊。

障がい者

音のない世界でコミュ力を磨く
著者 難聴うさぎ
出版 KADOKAWA
定価 1,500円
発行 2023年4月26日
世界一周旅行、YouTube、起業・・・やりたいことは全部やる!
生まれつき耳が聞こえず、補聴器をつけて生活。
現在YouTuber、会社経営、タレントとして活動し、SNS総フォロワー55万人を超えるインフルエンサー・難聴うさぎの初エッセイ。
障がいを抱えながらも、「自分の人生を前向きに生きる」がモットー!
体は左右非対称だったため、左足の骨を強制的に伸ばすためにたくさん針金を通したり、目はひどい斜視で手術をしたり…、
現在も聴覚障がいとともに、突発性睡眠障がいも抱えて生活している。

人権全般

外国にルーツをもつ子どもたちの学校生活とウェルビーイング
~児童生徒・教職員・家族を支える心理学~
著者 松本真理子
出版 遠見書房
定価 2,000円
発行 2023年3月6日
新しく日本に暮らす外国にルーツをもつ子どもたちへの支援
未来につながる幸福のために
多様化,グローバル化,労働人口の減少など産業構造の変化を背景に増加傾向にある「外国人児童」。子どもたちは幸せなのでしょうか? 親は子どもたちにどんな未来を歩ませたいと考えているのでしょうか? どんな夢や希望を持っているのでしょうか?この本は,外国にルーツをもつ子どもたちの学校生活についての心理学的な調査や臨床心理支援をもとに,子どもたちの心のありようや現実を〈ウェルビーイング〉をキーワードに解き明かし,よりよい未来につながる提言を行ったものです。
子どもたちや保護者などの大規模調査や描画検査,心理検査を通して,子どもたちのこころの内面に迫った本書は,多くの教職員,支援者たちに読んでもらいたい1冊になりました。

女性・性差別

慣れろ、おちょくれ、踏み外せ
~性と身体をめぐるクィアな対話~
著者 森山至貴、能町みね子
出版 朝日出版社
定価 1,800円
発行 2023年7月1日
“みんな”でいたくない“みんな”のために
「LGBT」に分類して整理したら、終わりじゃない。
「わからない」と「わかる」、「マイノリティ」と「マジョリティ」を行き来しながら対話する、繊細で痛快なクィアの本。
ときに反抗的で、しなやかな態度は明日への希望に――。
性、恋愛、結婚、家族、子孫、幸福、身体、未来――
バラバラのままつながった壮大な「その他」たちが、すべての「普通」と「規範」を問い直す。

人権全般

ロマ民族の口述伝承
~童話・笑話・怪談・猥談・物語~
著者 金子マーティン
出版 三一書房
定価 2,200円
発行 2023年1月31日
ナチス体制下においてロマ民族はユダヤ民族同様に人種差別と殲滅を被った。
その差別と迫害が第二次大戦後も間断なく続行しているのが現実だ。
本書は30編のロマ民族の口述伝承を収録し、それぞれに偏見や差別を克服するための「注釈」を付す。

人権全般

わたしたちはここにいる
~マイノリティが、集まり、語り合う~
著者 人権ネットワーク・東京監
出版 解放出版
定価 2,500円
発行 2023年8月31日
「障害者」「人種/民族/部落」「ジェンダー/戸籍/DV被害」「貧困/ホームレス」の諸問題をマイノリティ同士が討議した記録。
本書では「障害者」「人種/民族/部落」「ジェンダー/戸籍/DV被害」「貧困/ホームレス/階級」に関する諸問題を、のべ100名のマイノリティ当事者が4日間計20時間以上討議し、問題の所在と共闘のあり方を模索する。

その他

ネット右翼になった父
著者 鈴木大介
出版 講談社
定価 900円
発行 2023年1月19日
ヘイトスラングを口にする父
テレビの報道番組に毒づき続ける父
右傾したYouTubeチャンネルを垂れ流す父
老いて右傾化した父と、子どもたちの分断
「現代の家族病」に融和の道はあるか?
ルポライターの長男が挑んだ、家族再生の道程!

女性・性差別

シン・男がつらいよ
~右肩下がりの時代の男性受難~
著者 奥田祥子
出版 朝日新聞出版
定価 850円
発行 2023年7月21日
「ガッツ」重視の就活に始まり、妻子の経済的支柱たることを課せられ、育休をとれば、出世ラインを外れれば、同僚らから蔑視される被抑圧性。「男らしさ」のジェンダー規範を具現化できず苦しむ男性が増えている。定年後も続く「男」の呪いから解き放たれ、誰もが生きやすい社会を、詳細ルポを通して考える。

人権全般

ヘイトをのりこえる教室
~ともに生きるためのレッスン~
著者 風巻浩、金迅野
出版 大月書店
定価 1,700円
発行 2023年7月24日
多様性や人権が語られる反面、新たな形の差別や偏見が社会をむしばむ。
そんな時代を生きる若者たちに、大人は何を伝えられるだろう。
反差別と多文化共生教育に取り組む2人からのメッセージ。

人権全般

国籍と遺書、兄への手紙
~-ルーツを巡る旅の先に~
著者 安田菜津紀
出版 ヘウレーカ
定価 1,900円
発行 2023年5月8日
なぜ父は出自を語らなかったのか
フォトジャーナリスト安田菜津紀がつづる、自身のルーツをめぐる物語。
父は在日コリアン2世だった。
父の死後に知ったその事実に、著者のアイデンティは大きく揺れ動く。
自分はいったい何人なのだろう。父はなぜ語らなかったのだろう――。
朝鮮半島からやってきた祖父母も、その子どもである父も、歳の離れた兄も、もうこの世にはいない。
手がかりがほとんどないなかで、祈るような気持ちで資料を取り寄せ、わずかな痕跡をたどってかれらがかつて住んでいた地を歩き、交流のあった人の話に耳を傾ける。
その旅でしだいに見えてきた家族の在りし日の姿を胸に抱きながら、目の前の現実を取材する日々。
現在と過去を往還するなかで、ときに気分が沈みそうになっても、多くの人との出会いにより、著者は自らの向かうべき道を見出していく。
貧困、災害、難民、ヘイトクライムなどの取材を通して、人々の声を伝え続けてきた著者が、自らのルーツに向き合い、大きな気づきを得て、あらためて社会のありかたを問いかける渾身の作。

人権全般

「戸籍」人権の視点から考える
著者 反差別国際運動(IMADR)
出版 反差別国際運動(IMADR)
定価 1,500円
発行 2023年11月8日
日本の戸籍制度は固有で、他国の住民登録制度とは大きく異なります。日本国籍者であることを前提にし、戸主単位で作られ、その家の系譜の記録にもなるこの制度は、特定のマイノリティ集団への差別に加担してきたのではないでしょうか。
 例えば、戸籍に記載された本籍地や家族関係を調べることで、これまで数えきれないほどの部落差別が行われてきました。日本も加入している国際人種差別撤廃条約の第一条は、差別の根拠の一つに世系(血統や系譜)を定義しており、国連は、部落差別は世系に基づく差別であると見解を出しています。
 戸籍制度はどのような目的で作られ、どのような役割を果たしながら、現在に至るまで維持され機能してきたのでしょうか。どのような問題をもたらしてきたのでしょうか。反差別国際運動は、戸籍制度の歴史を振り返り、この制度がもたらす問題に取り組んできた研究者および活動家に議論をしていただくことで、現代社会における「戸籍制度」を人権の視点から実践的に明らかにする連続講座を2022年に開催しました。