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レッツトライ

働きやすい職場のために〜 セクシュアルハラスメント“気づき”チェックリスト

 東京人権啓発企業連絡会では、啓発委員会に属する企業でアンケートを実施し、職場で起こるセクシュアルハラスメントの事例を調査しました。対象企業の規模や業種が異なるにもかかわらず、同じような事例が多く見られる結果となりました。中でも深刻なセクシュアルハラスメントにならないまでも、「不快だ」「実は我慢している」といういわゆる「男女の意識差」から生じる事例が数多く上げられ、これらを放っておくことで職場環境が悪化してしまう恐れがあることに気づきました。
 そこで、多くの共通した「不快事例」を中心にチェックリストを作成しました。事例はジャンル別に分け、それぞれ「考え方のヒント」をつけてあります。以下の例を参考にご活用ください。

   【チェックリスト活用例】
    ◆自分の感覚や認識はどうか?のチェックに
    ◆職場の同僚と休憩時の話題に
    ◆チームミーティングのトピックに
    ◆家族での語らいの話題に
    ◆話し合い研修などの教材として

 ぜひ「あなたはどう思う?」と聞いてみてください。そしてそれぞれの認識の違いを話し合ってみてください。認識の違いを少しでも理解し、互いに近づくことが、働きやすい職場づくりへの第一歩です。
  また、話し合い研修などの教材として活用する場合は、こちらのファイルを参考にして研修にお役立てください。

*現実的には、まだまだ「男性から女性へ」の事例が多かったため、リストは女性が被害者のハラスメント事例が中心となっています。しかし、各事例とも性別に関わらず不快に感じたり被害者となることがあります。2007年4月1日には改正男女雇用機会均等法が施行され、「男性へのセクシュアルハラスメント」も認められるようになりました。


これって“あたりまえ”?
庶務や秘書業務、受付は女性が担当するのがよい。 
お茶は女性が入れてくれた方がおいしいと思う。 
部下を「○○ちゃん」などあだ名(または名前だけ)で呼ぶ。あるいは「うちの女の子」と呼ぶ。 
職場の飲み会で、主賓・上司の隣には必ず女性を座らせお酌をしてもらっている。 
体力が必要な仕事は男性の仕事だし、女性は残業させずに早く帰らせてあげたい。
解説 社内で、女性だけが偏って担当している業務はありませんか?通常業務以外でも、社内イベントの司会や研修会場のアナウンス、表彰式の介添えや花束贈呈などで女性を駆り出し「職場の花」的扱いをしていませんか?アフターファイブの飲み会でも、決められた配席やお酌の強要、カラオケのデュエットを歌わせる、などは女性を「ホステス役」として扱っていることと同じです。
女性を一段下に見ている気持ちは、女性をあだ名や「女の子」と呼ぶことにも現れており、親しみをこめているつもりでも、本人や周囲に不快感を与えていることがあります。ビジネスでは、対等なパートナーとして、きちんと「○○さん」と姓で呼ぶべきでしょう。また、女性は保護すべき、という考えは決して悪いことではないかもしれませんが、あくまでもそれは個人的な価値観です。これまで通例として行われてきた行為でも、固定的なジェンダー意識(性的役割分担意識)は、本人の「性別に関係なく対等に働きたい」という意志を無視し、働く機会を奪ってしまうことにも繋がります。何げなく続けることによって知らず知らずのうちに自分だけでなく周囲の性的役割分担意識を助長してしまう可能性もあります。職場では、皆「対等に働くパートナー」という意識で接することが大切です。

職場は「仕事」をするところ!
慰労の意味で、残業後、食事に誘い、二人きりで出かけた。
机や現場で仕事を指示したり教えるとき、いつも至近距離で話す。
時々コミュニケーションの一環で、肩に手を置いたり、頭をなでたりする。 
女性の身体を上から下まで眺める。ちらっと胸に目がいってしまう。
特に急ぐ用事でもないのに、就業後や休日に携帯メールを送る。
職場でひとりの部下だけをえこひいきし、かわいがる。
解説 「慰労」の意味で、と言いますが、異性の部下と2人きりで食事に出かける行為に、本当に「下心」はないのでしょうか。部下と非常に近くで話したり、身体を触ったりすることで、ドキドキ、ウキウキしたりしていませんか?自分と相手との関係は、相手が「NO」と言えないような力関係ではありませんか?はっきり「NO」と言えないために「OK」しているものと誤解されてしまうケースも多いのです。
また、身体を眺められた、と不快感を訴える人も非常に多く、男性が(本能的に?)何気なく見てしまったとしても「いやらしい」と感じられることが少なくありませんので注意が必要です。
最近ではメールに関する苦情も増えています。職務上必要のないメール、個人的なメールを送る、ましてや、「ハート」などの絵文字入りメールなどは慎むべきでしょう。また就業後や休日のメールは、「個人的なメール」と受け取られやすいので、緊急な用件でなければ送らないように注意しましょう。
職場の異性や同僚を単なる「疑似恋愛」の対象や性的な対象としてみることは大変失礼なことだと、しっかり認識してください。

あなたには関係ありません!
「サイズはどのくらい?」「キミは安産型だね」「最近太った(痩せた)よね?」と、身体のことを頻繁に話題にする。
「彼氏(彼女)いないの?」「結婚はまだ?」「結婚はいいよー早くしなよ」と薦める。
「結婚したんだよね、子どもはまだ?」「2人目は作らないの?」「やっぱり女性に生まれたからには子どもは産まなきゃ」と諭す。 
「週末は何するの?デート?」「今日は合コンか?」「連休中は誰とどこに行くの?」と聞く。
「髪の毛切ったの?かわいいね」「いいスタイルしてるよね」「スカート似合うね」と褒める。
解説 「コミュニケーションの一環」として、職務上関係のないプライベートな質問や話題を聞いたり話したりすることが相手に不快感を与える場合があります。結婚や出産に関する事項は、興味本位でプライバシーを詮索されていると受け止められることも多く、身体の話題は特に女性にとっては性的なニュアンスを感じ”いやらしい”印象を与えます。
また、男性が女性を褒めた時に「不快だ」と言われることが理解できない、と言う男性が多いのですが、「仕事以外」の事柄だけを褒めてはいませんか?女性も仕事ぶりを見て評価して褒めてほしいのです。「仕事以外の髪型やスタイルだけを褒められても・・・」と、素直に喜べる人は少ないようです。

そもそも「マナー違反」では?
コミュニケーションにはユーモアが大事。多少性的な話題でも場を盛り上げるのに必要だ。
職場の飲み会で手を握ったり肩を組んだり、故意に身体に触れる。
自分は社内で人気も信望もあるので、ボディータッチしても許されている。
女性社員が露出度の高い服装をしている。気になって仕方がない。
社内旅行の宴会は男女とも浴衣着用で参加する。
解説 本人がコミュニケーションのつもりでも、相手や周囲の人が(1人でも)不快に思えば、それは「ユーモア」ではありません。性的な話題で盛り上がるのをいたたまれない気持ちで聞いていたり、男性でも実は我慢して合わせている人もいるのです。また男女ともに他人に身体を触れられることを好まない人は多く、「酒に酔った勢い」での下品な言動には気をつけなくてはなりません。
実は「自分は人気がある」「自分は好かれているから大丈夫」という根拠のない勘違いや思い込みが、セクシュアルハラスメントを引き起こす例は少なくありません。「そう思っているのは自分だけ」というケースがほとんどです。
よく問題になる「露出度の高い服装」については、女性は一般的に「おしゃれ」として露出度の高い服装をしている場合がほとんどです。一方男性は露出度の高い服装を見ると、特別な意味にとったり、「遊んでいる」と決めつけたりすることがあります。それ以外でも、気になって仕方がない、本能的に見てしまう、見ていると誤解されたくない、などいろいろ考えてしまうようです。余計な軋轢が生まれ、職場の雰囲気が壊れる原因にもつながりますので、やはり男女とも「おしゃれ」を優先するよりも、自社の雰囲気や職場の風土(その場の雰囲気)に合ったふさわしい服装をよく考え着用すべきです。

よく聞くこんなセリフ・あんなセリフ
「あ、これってセクハラ?」「あぶない、あぶない、通報されるところだった」
解説 よく聞く「セクハラかな?」という発言は、女性の不支持率ナンバーワンのセリフです。呆れて聞き流しているのを、「許されてる」と勘違いしないようにしましょう。
「女はやっぱり若い方がいい」「オバサン」「お局さま」
解説 年齢や勤続年数のことを話題にし、年配の女性を揶揄する発言は控えるべきです。同様に、年配男性を「オジサン」「オヤジ」などと侮蔑的に呼ぶのも失礼にあたります。
(Hな話題になって)「結婚してるんだからコレくらい大丈夫でしょ?」
「男なんだから女の子が好きなのは当たり前だよな」
「女性は感情的」「女はヒステリックになるので困る」「女はすぐ泣くからなあ」
「育休もいいけど、子どもが大きくなるまでお母さんは家にいてあげた方がいいと僕は思うけどなあ」
解説 男は・・・女は・・・既婚者は・・・独身者は・・・などといった決めつけは個人的な主観であり、それは「不当な一般化」だということに気づきましょう。
「ケツから数えて何行目?」「オレがケツを拭いてやるから行って来い!」
(ケーブル接続部品について)「このケーブルのオス(メス)の方どこにある?」
解説 何気なく使っている言葉で、人によっては不快に感じる言葉がないでしょうか。なるべく人を不愉快にしない言葉を選びたいものです。

このチェックリストは研修教材として
自由にダウンロードすることができます

チェックリスト [PDF:64kb]
解説 [PDF:36kb]

2011年10月 東京人権啓発企業連絡会 啓発委員会作成


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