私たちは企業の立場から人権の輪をひろげるため、人権に関するさまざまな情報を発信しています。

レッツトライ

人権研修リーダーの目指すもの(その2)

●差別・差別表現・偏見

質問例
1. 差別とは何か、分かりやすく説明してください。
2. 差別はいけないことはわかります。しかし、学校でえこひいきがあったり、会社での評価が公平とはいえないことは誰しも知っていることではないでしょうか。社会から本当に無くなるのでしょうか。
3. 差別、差別と声高に主張するのは、私には権利の過度な要求に聞こえてなりません。私の考えは間違いなのでしょうか。
4. 差別は偏見から生まれると聞きました。もう少し詳しく教えてください。
5. 鉄道の「上り、下り」や「主婦」も差別表現だと聞きましたが、私はおかしいと思います。本当とは思えません。でも差別と感じる人がいれば差別になるといいます。どうしても腑におちません。
6. 差別と差別表現、さらに差別表現と差別語の違いについて教えてください。
7. 人種差別撤廃条約の概要について説明してください。

差別と差別表現

 前掲の表にあるように、差別されない(法の下の平等)ということは人権のひとつです。
 日本国憲法の第14条で次のように規定しています。

「すべての国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」

 ところで、差別とは、合理的な理由なく分け隔てした扱いを受けることを意味します。「ある企業の定年年齢が男女によって違う」、「労働組合の活動家であるからといって昇格させない」、「被差別部落出身という理由で採用しない」というのは合理的理由なく分け隔てをした扱い、差別になるわけです。しかし、合理的な理由があれば差別ではないということで、分け隔ての理由が合理的か否かの判断が難しい場合が多く、裁判で厳しく争われることも多く見られます。
 次に差別表現ですが、差別表現イコール憲法第14条の分け隔てした扱い、差別とはなりにくいようです。たとえば、「男性は仕事(外)、女性は家事(内)」は差別表現として定着していますが、それにより損害を受けたものが特定できない、すなわち、女性にもそのように考える人がいますし、痛みを感じるとしても人により違うということで“分け隔てした扱い”としての差別行為とはなりにくいという見解のようです。しかし、人を傷つける、尊厳を踏みにじるような表現がよくないのは当たり前です。そこで、このような表現を差別表現として次のように規定しておきます。

差別表現とは、

●ある個人や集団に対して、偏見、誹傍、侮辱など、著しく傷つける表現
●現に存在する差別を、温存・助長することに結びつく表現

差別と偏見

 差別表現と指摘を受けたとき、恐れたり、逆に反発したりする傾向があります。
 いずれも冷静さを欠いた態度です。尊厳を傷つける表現に抗議をするのは当たり前のことでしょう(表現の自由)。自分の発言が本当に相手を傷つけるものであったならば、謙虚に反省する。そうでないと考えるのであれば、その旨を主張する(表現の自由)ことです。
 こうした意見の交換が認められないとすれば、それこそ、人権の尊重の姿勢を欠く態度ということになります。

なぜ差別が生まれるか(差別と偏見)

 会社や組織で、また学校でのいじめもそうですが、差別は私たちの身の回りに多く見受けられます。また、人種差別、民族差別など長い歴史の中で差別が続いてきたことをみると、果たして差別をなくすことができるのだろうかとさえ、思います。
 差別心は人間の性なのだからなくならないという人もいます。また、社会の変化に応じて新しい差別が生まれるという人もいます。確かに、差別を根絶することは難しいことでしょう。
 もしそうだとして、では、差別は仕方のないことなのでしょうか。差別は人間としての尊厳を奪うものです。無くすことが難しいからこそ、常日頃、意識して無くす努力の継続が必要だといえるのではないでしょうか。
 その努力の一つが、自分の偏見に気づくということです。
 差別や差別表現は、偏見から生まれるという考えがあります。偏見というのは、「女性は機械に弱い」、「障害者は危険だ」、「部落の人の祖先は異国民だ」などがその例ですが、根拠がない、ステレオタイプ(紋切り型)を特徴とした、マイナスイメージを持った考え(心理的傾向)をいいます。
 これが、表現や行動として外へ出ると差別になると考えられます。すなわち偏見が外へ出ると差別になるわけです。したがって、差別を防ぐには、自分の偏見に気づくこと、偏見をなくすこと、外へ出さないように努力するということになりましょう。

図

偏見の具体例

母子(父子)家庭に対するマイナスイメージ(特に母子家庭)からの特別視
能力や人柄を学歴や家柄で判断する
職種によってその人の人格や能力を判断する
正規職員のパート雇用やアルバイト雇用の人たちに対するマイナスイメージ
地方出身者に対するマイナスイメージ
アジア系外国人に対するマイナスイメージ
「女人禁制」など、迷信や因習によるもの
「老人ホームが建設されると環境が悪くなる」など、高齢者に対するマイナスイメージ

〜 神奈川県作成の「ヒューマンライツ」より抜粋 〜

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