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見聞

東京国立博物館 アイヌと琉球

東京国立博物館
 東京国立博物館(以下、東博)は1872年に創設された、6つの展示館などからなる日本で最も長い歴史を持つ博物館で、本館には、他では見る機会の少ない「アイヌと琉球」に関する総合文化展(常設展示室)があります。ここでは日本列島の多様な文化の広がりを感じることができるとのことで、学芸企画部広報室の宇野さんをお訪ねしてお話を伺ってきました。

 「アイヌ文化は13世紀以降サハリン・千島・北海道・北東北のアイヌの人びとが狩猟や漁撈、植物採集に加え、アムール川下流域や沿海州そして本州の和人と交易をもちつつ育んできた独自の文化です。当館のアイヌ資料は、1875年のウィーン万国博覧会の事務局から引き継いだ資料や寄贈をうけた個人コレクションからなっており、さまざまな生活用具や衣服そして武具や祭祀具など膨大な数にのぼります。これらの民族資料をみてみると、アイヌ民族は独特の文化をもっていたが、絶えず和人と接触してきたもので、精神的にも文化的にも和人との浅からぬ関係であったと推測されます。和人のものがアイヌに伝わり変化したのもありますし、そのまま伝承されてきたものもあり、当該期の和人の文化の保存者の側面もあると考えています。

 琉球王国は15~19世紀、南西諸島を治め、日本はもとより中国や朝鮮半島そして東南アジアと関係を結ぶなかで、独特の文化をつくりあげました。当館の琉球資料は、1884年に農商務省が沖縄県から購入した資料や寄贈を受けた個人コレクションからなっており、生活用具をはじめ、絵画や文書そして古写真も含まれる幅広いものです。

 この展示室では、日本列島の北と南で花開いたアイヌ文化と琉球文化を紹介しています。両文化の豊かさと奥深さを再認識していただければ幸いです。

 当館では年300回を超える展示替えを行っていますが、2018年10月30日から2019年1月20日までは『アイヌの飾り』のテーマで、アイヌの人びとの代表的な文様であるモレウとよばれる渦巻き文を中心に、祭具や衣服、工具や木工品などに施された多彩な飾りや文様などを展示する予定です。」(写真参照)

シトキ(首飾)
▲シトキ(首飾)
 北海道アイヌ
 19世紀
 徳川頼貞氏寄贈
アイヌ鍬形 北海道アイヌ
▲アイヌ鍬形 北海道アイヌ
 北海道栗山町角田字桜山出土
 19世紀
 尾田勝吉氏・泉麟太郎氏寄贈
チウカウカプ(われわれが縫ったもの)
▲チウカウカプ(われわれが縫ったもの)
 北海道アイヌ(虻田)
 首長明石和歌助所用
 江戸~明治時代・19世紀 徳川頼貞氏寄贈

※写真の3件はすべて東京国立博物館蔵

 東博で日ごろ展示されているのは11万7千件を超える所蔵品のうち3000件程度(アイヌ・琉球に関する民俗資料は約1200件所蔵し、展示は50件程度)とのことで、その他の多くはWEBで見ることができます。下記の公式サイトURLから入り上部のバーの「コレクション」をクリックすると、東博以外の3国立博物館の所蔵品含めてデータベース化されており、説明文や画像で楽しみ、学ぶことができます。
 また、東博では制作体験などを通して文化財に親しみ理解を深めながら鑑賞をサポートするスクールプログラム、ガイドツアーやワークショップなどさまざまなプログラムを多数用意しており、公式サイトではこれらの詳細も確認することができます。
 東博を訪れる際、お時間に余裕があれば上野公園内に点在するたくさんの博物館・美術館からお好みの展示を見つけたり、広々とした公園を散策し心身ともにリフレッシュすることも素敵な時間の過ごし方になるかもしれませんね。

開場地図
◉開館時間:
 9:30~17:00
 金曜・土曜は~21:00
 (入館は閉館の30分前まで)
◉入館料:
 一般620(520)円、大学生410(310)円
 ※( )内は20名以上の団体料金です。
 ※特別展の場合は別料金になります。
◉住所:
 東京都台東区上野公園13-9
 Tel 03-5777-8600(ハローダイヤル)
 URL;https://www.tnm.jp/

(2018年11月発行の広報誌『明日へ』59号より転載)

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