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見聞

JICA横浜 海外移住資料館

 日本人の海外移住は150年に及ぶ歴史があり、100万人を越える人たちが希望を膨らませ海を渡っていきました。そして、世界各地の文明づくりに重要な役割を果たしてきました。現在、海外で生活する日系人は300万人以上と推定されています。
 海外移住資料館は、こうした日本人移住の歴史と日系人コミュニティについて、広く理解を深めてもらうことを目的として、多くの移住民が旅立った横浜の地に2002年に開設されました。

▲ローズ・フェスティバルの野菜山車
日系人が栽培した野菜や花などで山車を作り一等賞を授与された 展示は常設展と企画展に分かれています。
 常設展は、(1)「海外移住の歴史」、(2)「われら新世界に参加す」、(3)「デジタル移住スペース」、(4)「ニッケイ・ライフ・ヒストリー」、(5)「日本の中のニッケイ/世界の中のニッケイ」の5テーマからなっています。前半は日本人の海外移住の歴史を解説し、後半は新世界における新しい文明づくりに参加する日系人という視点で、アメリカ大陸における日系コミュニティを紹介しています。

▲移民の七つ道具
移住者たちが渡航に携行した柳行李やスーツケースを展示  企画展は特定テーマを掘り下げるもので、特別展・催し物を含めて毎年数回開催されています。広報委員会で訪問した時には、終戦70年企画として「海を超えたヒロシマ・ナガサキ」(2015年9月27日まで)が開催されていました。広島・長崎で被爆した後、北米・南米に移り住んだ「忘れられた被爆者」が、適切な原爆症の治療を受けることが困難だったことや、被爆者法の適用を受けられなかった期間があったことなど、知られていない移住民の辛苦が示されていました。

▲ハワイのビッグ・ファミリー
ハワイの移住者の孫にあたる三世から六世までのファミリー 常設展の最後を飾る、「家族のきずな」と題した大きなパネルがとても印象的です。それは、ハワイの「ニッケイ」ビッグファミリーが一同に会した写真で、肌や眼の色、顔立ちも異なる4世代におよぶ子孫たち58人が、幸せそうに、そして誇らしげに納まっています。
 私たちにとって、アイデンティティとは何なのでしょうか。国籍なのか、民族やルーツなのか、それとも共有する文化なのでしょうか。「家族のきずな」を前に、一言で説明することが簡単でないことに気づき、考えさせられます。
 日系人は世代を重ねるなかで、容姿や価値観、文化的な背景なども多様化しています。移住した国で豊かな文化を育んできた日系人は今、その土地に立派に根づき広がりを持った「ニッケイ」なのです。海外移住と日系人の歴史や文化を学ぶことは、日本に暮らす「ニッケイ」のみならず、多くの外国人との多文化共生社会について考えることにも繋がっています。
 なお、JICA横浜には、海外移住資料館以外に映像資料や学習教材の貸出しも行なっている図書資料室やギャラリー、そして国際色豊かなメニューを楽しめる港の見えるレストランなどもあります。


ホームページ http://www.jomm.jp/

2016.6掲載

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