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会員のCSR

JFEスチール 地球環境との共存~鉄鋼スラグ活用による海洋の環境改善~

地球環境との共存をめざす事業

 現在、世界中の海洋は、経済活動、地球温暖化などの影響により、大きなダメージを受け、サンゴや海藻草類の衰退など、本来の海洋の環境や生態系が失われつつあります。

 JFEスチールは、地球環境の改善の一翼を担う活動として、海洋環境の再生に取り組んでいます。本来の海洋の環境に戻すため、鉄鋼生産過程の副産物である鉄鋼スラグが有する生物との親和性や水質浄化機能を利用しています。再生が困難な、あるいは再生に長い時間を要するような海域に、鉄鋼スラグ加工品を設置するという最小限の人工的処置を施すことで、自然の力による再生を促すことが可能になります。

鉄鋼スラグとは

 鉄鋼スラグには、鉄鋼主原料の鉄鉱石と副原料の石灰石の成分が多く含まれています。鉄は最大の地球構成元素であり、また石灰石はサンゴ礁などを主な起源としており、生物との親和性が高く、さらに鉄鋼スラグに含まれるミネラル成分は海洋環境の再生に有効に働きます。それでは活動事例をご紹介します。

宮古島のサンゴ再生

▲マリンブロック(R)上で成長するサンゴ(宮古島) 鉄鋼スラグを二酸化炭素で炭酸固化したブロック(マリンブロック(R))は、表面に微小な凹凸や空隙があり、動植物の着生に適しています。マリンブロック(R)は、その成分と表面の特性を活かし、サンゴ礁再生や藻場造成・再生に利用されています。実際に、2005年に宮古島で産まれたサンゴの幼生がマリンブロック(R)上で順調に成長し、親サンゴとして産卵するという生育サイクルが確認されました。この技術は、世界的に減少傾向にあるサンゴ礁を再生する技術としてグローバルな展開が期待されています。

藻場造成への活用

▲造成された藻場で成長する海藻 鉄鋼スラグを塊状に加工した石材(マリンストーン(R))は、水質浄化機能があり、設置時の扱いも容易なことから藻場造成基盤材に多く利用されています。山口県岩国市の沿岸では、海草のアマモ場造成基盤材として利用されています。この海域では、藻場の衰退による漁獲量減少を抑えるため藻場造成が計画されていましたが、従来の天然石の代替としてマリンストーン(R)を利用することで、天然石採取による陸域の環境負荷を低減することができました。

松島湾の藻場回復

▲松島湾の藻場回復  東日本大震災による津波で、松島湾の藻場が甚大な被害を受けました。これをもとの姿に戻すために、マリンブロック(R)、マリンストーン(R)等の生物との親和性や水質浄化機能を用いた藻場再生実証実験を地元自治体、漁協、大学、地域の方々などと協力して行なっています。今後は震災により被害を受けた他の海域の再生への展開も可能と考えています。

地球環境保全に向けた技術開発

 いくつかの海洋環境の再生事例をご紹介しましたが、海洋環境が再生することで本来の生態系が戻り、その生態系では海藻草類が活発に光合成を行ない、結果として二酸化炭素を削減させることになります。鉄鋼スラグは、利用目的に合わせて形を変えることで、環境再生にも、省資源や二酸化炭素の排出削減にも有効となります。当社は鉄鋼スラグの活用事業等を通じ、地球環境保全に貢献する技術開発を今後も積極的に進めていきます。

2015.12掲載

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