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会員のCSR

大成建設 アニマルパスウェイと森林保全

 私たちが日常何気なく利用している道路や鉄道は、所によっては森林を分断し棲息する動物の生活圏を大きく侵害し、知らない間に多様性に富む生態系に影響依を与えていることも否めません。これからの時代、日常生活の利便性の追求には、人と自然との共存の方向性が望まれます。そのためには、生態系への影響を回避することが第一ですが、どうしても避けられない場合は影響を減らすとともに、その代替措置を講じることが必要です。これを「ミチゲーション(回避・低減・代償)」といいます。
 特に私たちは建設工事に携わっていますので、直接その森林を分断するなどの影響を与え、森林に棲息する動物がひかれる(ロードキル)などの被害をこうむっています。タヌキや鹿などの地上に生息する哺乳類のためには、道路の下にトンネルを作り、獣道を確保する配慮が行われていますが、樹上を伝わって移動する樹上性の小動物であるリス、ヤマネ、ヒメネズミなどにはなかなか配慮がなされていないので実情です。そこで2004年にNGO、建設会社などが連携して「アニマルパスウェイ研究会」を設立、材料選定や構造・耐久性など約4年間の実証的研究を経て、2007年7月に地元自治体との連携のもと山梨県北杜市清里の公道上にアニマルパスウェイを設置しました。建設コストも道路上に設置した「ヤマネブリッジ」に比べて1/10となりました。アニマルパスウェイの利用状況は毎日24時間、赤外線併用のビデオカメラのモニタリングを行った結果、設置17日後に夜行性のヒメネズミが利用、翌日にはヤマネが通り、2009年のモニタリングデータでは昼間はリスが利用しています。その後はヤマネなどの天敵であるテンまで通り、これらの小動物が毎日のように利用しています。
 2010年は国連が定めた「国際生物多様性年」であり、生物多様性条約締約国会議が名古屋で開催されました。生物がいきいきとする環境を創造することは私たち人間社会の環境も良好に保全・向上することにつながります。40億年前から脈々として継続してきた遺伝子のつながり、命のつながりをこれからも長く続けていかなければなりません。そのためには、大気循環、水循環そして生態系サービスの源である森を守り、活性化させることが私達の大きな役割です。今やビジネスでも企業の社会貢献としても重要な位置づけになるでしょう。「アニマルパスウェイ」は当研究会の造語ですが、すでに一般化し社会化しつつあります。大成建設がさらなる普及を図る活動の一端を担えればと思います。

アニマルパスウェイ

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