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クローズアップ

塩見 鮮一郎 「東京の同和問題と浅草弾左衛門」 (その8)

江戸身分制の崩壊

挿絵  実際に、慶応4年の1月13日に彼は町奉行所に呼ばれて、おまえの身分を引き上げる、今日から士分だということになります。でもこれはとても大変なことで、つまり江戸社会というのは身分制で成り立っていましたから、穢多身分の人がそれ以外の身分になることはなく、結婚も身分の違う人とは許されません。農民の場合も同じです。それなのに、身分を引き上げた。私は、町奉行は最も重要であるはずの身分制という制度をこの時点で放棄してしまったのだと考えています。弾左衛門の方は押せ押せですから、自分の手代60名も身分を引き上げさせてしまいます。それから全部の人の身分引き上げを要求するのですが、その話が煮詰まる前に江戸幕府が亡びてしまいます。

挿絵  ここで私が一番言いたいことは、身分引き上げが実現したことと、その意味がいかに大きいかということです。江戸幕府の根本の最も重要なところに触れるようなことが、幕府が倒れる寸前のこととはいえ、実現したということです。

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