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田中 正人 「路地裏の人権」 〜からかいの文化と人権 (最終回)

待たれる社会の意識改革

イメージ  圧倒的大多数が生活する一般社会の、意識改革が必要です。誰かが誰かを啓発するというのではなく、1人ひとりが日常的な言動の中から、やらなくてはならないのです。
 人権感覚の定着に、即効薬はありません。「慣れ」は、息の長い、地道な繰り返しで生まれます。人間の「存在」「意思表示」は、路地裏に幾らでもあります。それが、人間の生活ですから当然のことです。そこで、あれ?不愉快だなあ!腹が立つ!と感じたら、人権が損なわれていないか?考えてみることです。自分の「存在」「意思表示」が軽視されていないか、振り返ってみることです。その繰り返しが慣れにつながります。
 路地裏に「ちょっとした人権軽視にも敏感に反応する意識」が耕されれば、「異質排除」などの悪しき慣習は、どこかに消えてしまうはずです。人権感覚に根差した新しい社会慣習が誕生するはずです。
イメージ  日本社会の歴史を否定しようというのではありません。私は、日本の「美徳」が大好きです。謙譲の美徳、和を尊ぶ気風など、世界に誇る慣習と思っています。
 身近な人権の感覚が、路地裏に根付いていないことが、日本の人権感覚を醸成させない原因であるなら、それを作ろう、醸成しようということです。新しい考え方を加えようということです。互いの存在、意思表示を認め、考え合う習慣が育っていないのなら、そうした慣習を生み出そうということです。
 人権意識は、地道な一人ひとりの積み重ねで成熟するものです。たとえ、時間がどんなにかかろうとも、人間である以上、人間の尊厳を尊ぶ社会を造るために、たゆまぬ努力をし続ける。当たり前の我々の役目だと思います。

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