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クローズアップ

男女脳差理解による ダイバーシティコミュニケーション

図3
 
図4

 このチェックをしてもらった目的は2つ。1点目は自分の価値観を知ること。2点目は、チェックが多かった価値観の反対側にある価値観を重んじる人のことを否定しやすいと念頭に置き、相手の価値観に合わせたコミュニケーションが大事であると心がけること。
男性脳と女性脳の違いを知る

 自分が「普通はこっちだろう」と思ってチェックした価値観と、逆の価値観を、「こっちが普通」と思ってチェックする人もいる。価値観に優劣はなく、それぞれの特徴をよく読めば、相手が大切に思う要素を理解できる。ただし、組織においては何でも尊重し合えばいいというものではない。例えば、年度末まであとわずかな期間で目標を達成しようとするときには、「成果」を前面に出す必要があるだろうし、新人教育では「プロセス」重視といったように、目的や場面によって、それにふさわしい価値観を持つ人を起用して、組織を運営することを意識したい。

 また、先述の仕事価値観は役割や経験によって可変するものだが、「男性と女性の脳には、解剖学的な違いがある」とも言われている。物事を「感じる役割の右脳」と感じたことを「言語化する役割の左脳」をつないでいる脳梁という部位が、男性より女性の方が厚いそうだ。なので、感じたことをすぐに言語化している様が「おしゃべり」のように見えるのである。また、「女性はすぐ泣く」とか、「過去のトラブルをため込みがち」とかいった現象も、医学的な見地からある程度説明できるので、知っておくと役に立つ。以下の書籍が参考になる。

『男が学ぶ「女脳」の医学』(米山公啓、ちくま新書)
『キレる女 懲りない男』(黒川伊保子、ちくま新書)
『男はなぜ急に女にフラれるのか?』(姫野友美、角川oneテーマ21新書)

 先日もある管理職研修で、「女性が泣くのは卑怯だと思っていた」という意見があり、「脳の特性の違いなら、と納得した。目から鱗だ」という感想をいただいた。私は、よくこう伝えている。「悔しい、悲しいと感じた瞬間、泣いてしまうのは生理現象。コントロールしづらい面もあるが、泣いた後の振る舞いは自律出来る」。詳しくは拙著『思い通りの人生に変わる女子の仕事術』(ダイヤモンド社)も読んでいただきたい。

 最後のまとめとして、繰り返しになるが、男性脳・女性脳、どちらの特性も組織にとって大事であること。お互いの違いを理解し、目的や場面によって価値観をスイッチオンしたりオフに出来る「ハイブリッド脳」を意識し、より良い組織づくりのための「ダイバーシティコミュニケーション」を実践してほしい。

2016.8掲載

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