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クローズアップ

男女脳差理解による ダイバーシティコミュニケーション

それぞれの仕事価値観の特徴を理解しよう

 さて、身近にある属性の違いの一つ(男女)の特性について考えてみたい。職場(チーム・上司)で見れば、男性と女性では価値観が異なり、お互いを理解できないことから始まる意見の対立が起こることも少なくない。この対立を安易に回避するのではなく、さまざまな意見を検討し多面的に考えることで、新しいアイデアや提案が生まれ、強くて柔軟な組織を作ることが可能になる。
 この違いについては、あくまでも「個性」や「個人の違い」が基本である。しかし、比較的男性に多い傾向・比較的女性に多い傾向というそれぞれの〈集団的傾向〉として把握しておくと、違いを知り理解するのに有効だと考える。繰り返しになるが、「男性とはこういうもの」「女性とはこういうもの」というレッテルを貼るものではないことを念頭に図2を見てほしい。

男性脳と女性脳の違いを知る これは、男性的価値観と、女性的価値観を6つずつまとめてあり、前者には「企業視点」、後者には「顧客視点」といった側面がある。「どちらが大切か」ではなく、この12の価値観はいずれも組織運営に必要なもの。組織の目的やフェーズによって、これらの価値観をどう組み合わせるか考えていく必要がある。価値観が違うとコミュニケーションの取り方も異なる。具体的に言うと、一般的に男性の多くが「コミュニケーションは課題解決の『手段』である」と考えている。一方、女性の多くは「共感し合いたい」という価値観を大切にするので「コミュニケーションすることそのものが目的」である場合もある。
 たとえば、女性部下が「このような問題があり困っています」と伝えたとする。男性上司は「なぜ問題が発生したか、どのように解決すればよいか」に意識が向くが、女性部下は「問題に困っているという自分の感情(状況)を理解してほしい」ことが中心で「解決はあとで自分でできる」と思っていることもあるのだ。
 こういうケースでは「なるほど、そのような問題があるんだ、それは(貴方も)困っちゃうよね」と受け止め、「何か手伝おうか?」と聞いてほしい。一概には言えないが、多くの場合は共感があれば解決するだろう。

 ここで簡単にその人がもつ価値観がわかるチェック表をご紹介する。下のチェック項目で、自分に当てはまる項目の□欄をチェックし、次ページ 図3(記入例)を参考に、それぞれいくつ当てはまったかを図4に実際に記入してみてほしい。

チェック項目
  • 1.「成果」に関するチェック
  • □報告をするときは、過程よりも結論を重視する
  • □結果が出なければ、その仕事には価値がない
  • □買い物は、目的のものを買えればそれでよい
  • 2.「プロセス」に関するチェック
  • □仕事では結果を出すことも大切だが、努力した過程のほうが重要だ
  • □仕事をする過程の「質」を意識している
  • □欲しかったものが売り切れていても、買い物は楽しい
  • 3.「支配」に関するチェック
  • □同期よりも先に出世したいと思う
  • □仲間と一緒に仕事をするより、部下を従えて仕事をするほうに魅力を感じる
  • □何事も、勝たなければ意味がない
  • 4.「共存」に関するチェック
  • □仲間と一緒に、協力し合いながら仕事をするのが好き
  • □結束力の強いチームで仕事に向かうことが楽しく、達成感にもつながる
  • □チーム内に、トラブルに遭っている人や困っている人がいれば、積極的に助けてあげたい
  • 5.「モノ(内容)」に関するチェック
  • □職場では、働きやすい環境よりも、仕事の内容にやりがいを感じられるかが大切だ
  • □発言者よりも、発言の内容が重要だ
  • □何かを購入するときは、店員の人柄には左右されず、機能や内容だけで決める
  • 6.「ヒト」に関するチェック
  • □仕事の内容よりも、人間関係を優先して行動する
  • □営業担当に必要なのは、商品の専門知識よりも人柄だ
  • □発言内容も大切だが、発言者の信頼性を重視する
  • 7.「理性」に関するチェック
  • □仕事では、うまく感情をコントロールできていると思う
  • □仕事に感情を持ち込むのは禁物。論理的に進めるべきだ
  • □「何を考えているのかわからない」と言われたことがある
  • 8.「感情」に関するチェック
  • □仕事では、感情豊かに表現しているので、親近感を抱いてもらっている
  • □仕事では論理やルールも大切だが、ときには直観を優先するべきだ
  • □「裏表のない性格だよね」と言われたことがある
  • 9.「データ」に関する項目
  • □わからないことは、自分で情報を調べる
  • □数字がしっかりと書かれた目標のほうが、わかりやすくてよい
  • □相手を説得するときには、数字やデータが不可欠だ
  • 10.「イメージ」に関する項目
  • □目標を達成したときを想像すると、やる気が出てくる
  • □イメージをふくらませて、アイデアを出すことが得意だ
  • □相手を説得するときは、イメージで全体像を伝えたほうが理解してくれると思う
  • 11.「客観」に関する項目
  • □トラブルが発生したときは、状況を客観的に判断することができる
  • □職場では、他人の視線を意識しながら行動している
  • □一般論を中心に話したほうが、ビジネスでは有効だ
  • 12.「主観」に関する項目
  • □他人の気持ちを、自分のことに置き換えて考えられる
  • □他人の評価を気にせずに、自分の基準で行動している
  • □一般論よりも自分の感覚を重視するほうが、ビジネスでは有効だ

2016.8掲載

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