基礎知識

雇用対策法の改正「労働者の募集・採用時に年齢制限を禁止!」

 これまで、企業等(事業主)が労働者を雇用する際の募集及び採用に係る年齢制限の緩和については、努力義務とされていたことから、企業等においては年齢制限の緩和に努力をしてきたところですが、年齢制限を行う求人も依然としてあることから、高齢者や年長フリーターなど、一部の労働者の応募の機会が閉ざされている状況があるといわれていました。
 そのため、このような状況を改善し、労働者の一人ひとりに、より均等な働く機会が与えられるように、雇用対策法が改正され、2007(平成19)年10月1日(施行)から労働者の募集・採用における年齢制限が禁止されました。
 改正の概要は次のとおりです。

◆改正の内容
労働者の募集及び採用の際には、原則として年齢を不問としなければなりません。
この年齢制限の禁止は、公共職業安定所を利用する場合をはじめ、民間の職業紹介事業者、求人広告などを通じて募集・採用する場合や事業主が直接募集・採用する場合を含め、広く「募集・採用」を行うに当たって適用されます。


◆改正の留意点
年齢不問として募集・採用を行うためには事業主が職務に適合する労働者であるか否かを個々人の適性、能力などによって判断することが重要です。 このため、職務の内容、職務を遂行するために必要とされる労働者の適性、能力、経験、技能の程度など労働者が応募するに当たり求められる事項をできるだけ明示していく必要があります。
これにより、労働者側も、募集の内容を応募の前に把握することにより、応募するかどうかの判断が容易になり、求人と求職のミスマッチが解消されます。

 求人の内容などについては、公共職業安定所から資料の提出や説明を求められることがあります。
 また、雇用対策法第10条に違反する場合などには、助言、指導、勧告等の措置を受ける場合があるとともに、職業安定法第5条の5ただし書に基づき、公共職業安定所や職業紹介事業者において求人の受理を拒否される場合があります。

◆例外的に年齢制限を行うことが認められる場合
 募集・採用における年齢制限は禁止されますが、合理的な理由があって例外的に年齢制限が認められる場合(以下、「例外事由」という。)を厚生労働省令で定めています。
 募集・採用の際に年齢制限をする場合には、次のいずれかの例外事由に該当することが必要です。
なお、これまで認められてきた体力等が不可欠な業務である等の理由での年齢制限はできなくなります。
《例外事項》
雇用対策法施行規則
第1条の3第1項
例外事由 具体例
1号 期間の定めのない労働契約については、定年年齢を上限として年齢制限をすることが認められます。
「60歳未満の方を募集(定年が60歳)」
2号 労働基準法等の法令において、特定の年齢層の就業が禁止・制限されている業務については、年齢制限をすることが認められます。
「18歳以上の方を募集(労働基準法第62条の危険有害業務)」
「18歳以上の方を募集(警備業法第14条の警備業務)」
3号のイ 長期勤続によるキャリア形成の観点から、新規学卒者等をはじめとした若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合には、上限年齢を定めることが認められます。
「35歳未満の方を募集(職務経験不問)」
「40歳未満の方を募集(簿記2級以上)」(必要な免許資格を定めていても、実務経験を有する資格でなければ認められる)
3号のロ 技能・ノウハウの継承の観点から、特定の職種の特定の年齢層において労働者数が相当程度少ない場合には、この特定の年齢層に限定して募集・採用することが認められます(ただし、期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合に限ります。)。
「□□社の電気通信技術者として30〜39歳の方を募集(□□社の電気通信技術者は、20〜29歳が10人、30〜39歳が2人、40〜49歳が8人)」
3号のハ 芸術作品のモデルや、演劇等の役者の募集・採用において、表現の真実性等のために、特定の年齢層の労働者に限定して募集・採用することが認められます。
「演劇の子役のため、□歳以下の方を募集」
3号のニ 60歳以上の高年齢者に限定して募集・採用する場合には、年齢制限をすることが認められます。また、特定の年齢層の雇用を促進する国の施策(雇入れ助成金等)を活用するため、その施策の対象となる特定の年齢層に限定して募集・採用する場合には、年齢制限をすることが認められます。
「60歳以上の方を募集」○(中高年齢者トライアル雇用の対象として)「45歳以上65歳未満の方を募集」
(若年者トライアル雇用の対象として)「35歳未満の方を募集」

◆次のような募集は、認められません。

 例外事由に該当する場合でなければ、年齢制限をすることはできません。
 年齢不問とした上で、職務の内容や、職務の遂行に必要な労働者の適性、能力、経験、技能などをできる限り具体的に明示しなければなりません。これにより、求める人材を雇用することが可能となりました。

《例》
認められない例
×
認められる例
「若者向けの洋服の販売職として、30歳以下の方を募集」 【求人票の記載例】業務内容を明示する。 「10歳代後半から20歳代前半までの若者向けの洋服の販売であり、宣伝を兼ねてその商品を着用して店舗に出る業務である。」
「長距離トラックの運転手として、45歳以下の方を募集」 【求人票の記載例】業務内容と必要な能力等を明示する。
「長時間トラックを運転して、札幌から大阪までを定期的に往復し、重い荷物(□□kg程度)を上げ下ろしする業務であり、この業務を継続していくためには持久力と筋力が必要である。」





※厚生労働省のホームページ資料等より
  http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/index.html

  



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