基礎知識

職場のセクハラ認識度チェックシート

 「セクシュアル・ハラスメント」啓発研修は、単に講師の一方的な講話に終始するのではなく、受講生を直接的に研修に参加させ、セクシュアル・ハラスメント問題の持つ独特の難しさを認識してもらうとともに、正しい知識を知る必要性を感じさせることが大切です。

 そこで、東京人権啓発企業連絡会では、「セクシュアル・ハラスメントチェックシートを活用した研修の進め方」について、研究活動を行った中から、認識度チェックシートを紹介します。

●研修の進め方

人権啓発研修プログラム、人権啓発研修体制等様々なので、研修時間は職場の実状に合わせて下記要領で進めて下さい。

@ チェックシート記入
A セクシュアル・ハラスメント全般にわたる研修
B 自己採点及び講師解説・質疑応答

●研修に際しての注意事項

@ 受講者に優等生の回答を求める必要はなく、ごく自然に正直な気持ちで判断してもらう。
A 職場の振り返りをしてみるつもりでチェックする。
B 回答用紙は、回収不要。(自己啓発のきっかけにしてもらう)

●回答

回答は、講師コメント用シート記載の回答例を参考にして下さい。
設問は全部で50問あります。

○印(セクハラと思う)・・・・・・・・・・32個
×印(セクハラと思わない)・・・・・・13個
△印(どちらとも言えない) ・・・・・・・5個

[認識度の目安]
・45問以上正解なら認識度良好と言える。
・40問未満の正解なら注意を促す必要がある。

 なお、回答例において×や△でも、相手・場所・タイミング等によりセクシュアル・ハラスメントと判断できるケースもあります。
 特に、△の回答に対して受講者の疑問を解く意味でも、相手の立場・気持ち、また、周囲の同性の眼や職場環境を考えた時に『好ましい行為ではない』というトーンで解説して下さい。

(回答例)
 「認識度チェックシート(講師コメント用シート)」は、もともと「どう考えればよいか」「どのような問題があるか」など、セクシャル・ハラスメント問題に取り組むための問題提起であって、受講者相互の意見交換を求めるものです。したがって、設問だけの状況や前提のみで、正解はこうであると、断定できるものでもありません。
 しかし、講師のための「一定の回答」はないかという要望も無視するわけにいきません。あくまで講師の手元の参考回答例として、別表の通り示します。
職場のセクシャル・ハラスメント認識度チェックシート
【○:セクハラと思う △:どちらとも言えない ×:セクハラとは思わない】↓
場所
日常の言動内容
チェック








1 女性の体を上から下までじろじろ見つめる。  
2 ちらっとバストに目をやる。  
3 挨拶がわりに毎日肩をたたく。  
4 慰労の意味で「残業後食事に行かない」と誘う。  
5 相手が拒んでも卑猥な冗談や、からかいを続けた。  
6 壁にヌードカレンダーを貼る。  
7 女子社員に残業を依頼する。  
8 仕事に関係のない食事などにしつこく誘った。  
9 米国版「プレイボーイ」を昼休み一人で静かに読んだ。  
10 ラブレターを渡したが相手にされないので、人事考課を下げた。  
11 性的誘いを断られたので、パート契約を打ち切った。  




姿






12 「綺麗になったね」と褒める。  
13 「いいプロポーションだね」と褒める。  
14 体重やスリーサイズを聞く。  
15 胸のサイズを聞く。  
16 「髪型変わったね、何かあったの」と聞く。  
17 「ミニスカートの方が魅力的だよ」と言う。  
18 「恋人ができるとからだつきで分かる」と言う。  
19 女性の前で他の女性との性的魅力を比較する。  








20 「今日は、体調が悪そうだね」と聞く。  
21 「体調が悪いのはアレのせい?」と聞く。  
22 「何で結婚しないの?」と聞く。  
23 「恋人はいるの」と聞く。  
24 「早く嫁に行けよ」としつこく言う。  
25 「子供はまだかい」とか「作り方教えてやろうか」とか言う。  
26 下着の色を聞く。  
27 不快感を表明しているのに髪型、化粧、香水などしつこく聞く。  
28 どんな男性が好みかを聞く。  
29 異性との仲を噂する。  
30 「あの娘、発展家らしいよ」と噂する。  
31 「○○子さんは魅力的だね」と酒席で仲間と話す。  







32 社員旅行で酒を勧める。  
33 社員旅行で繰り返しお酌を強要する。  
34 社員旅行で気乗りしていないのにデュエットに誘う。  
35 社員旅行で裸踊りをする。  
36 社員旅行で座席位置を特定の上司の隣へ強制する。  
37 社員旅行で浴衣着用で宴会出席を強要する。  
38 社員旅行で女性グループに肌の露出度の高い余興を強要する。  
39 カラオケでやたらと体に触る。  
40 飲み会で遅くなったので深夜タクシーで送っていく。  
41 タクシーで送る途中、気分が悪そうなのでホテルに誘った。  
42 嫌がるのに強引に飲食に誘い、飲酒を強要する。  
43 歓送迎会で二次会に誘う。  
44 正体なく酔い潰れたので、抱き寄せキスをした。  






45 取引先との懇親会に同席を依頼する。  
46 懇親会でホステス役を強要する。  
47 懇親会で取引先の卑猥な会話を黙認した。  
48 懇親会で取引先のボディータッチを見て見ぬふりをした。  
49 懇親会後嫌がるのに二次会へ連れていく。  
50 取引先幹部と個人的に付き合ってやってくれと依頼する。  

(講師コメント用シート)
職場のセクシャル・ハラスメント認識度チェックシート
  チェック
コメント
1 じっと見つめ続けたり、俗に言う「いやらしい目付き」で見るのも不快に感じる。
2 × 程度の問題。目付き、見ている時間、場所、タイミングなどの要素考慮の必要あり。
3 相手次第。通常のコミュニケーションの1つとしては可。ただし相手が不快感を示したらやめること。これがお尻なら論外。
4 × 特定個人でなく複数を誘うなど配慮が必要。強要しないこと。
5 不快感を表してることに気付かぬようではビジネスマンとして失格。
6 職場環境上好ましくない。会社の品位を考えるべき。
7 × 特定個人に偏って依頼のないよう注意が必要。
8 相手が不快感を示したり、拒否しているならそれ以上誘うべきではない。
9 × セクハラではないが(米国での判例あり)職場のマナーとして好ましくない。他の人に見せるようなことをしてはいけない。
10 特に人事権を持つ管理職は注意。食事の誘いなど断られたからと言う理由もダメ。
11 人事権、採用権限を持つことを良いことに強権発動はもっての他。
12 × 言い方次第。いやらしさを感じさせるような言い方は不可。
13 相手次第だが、身体の特徴や部位についてのコメントは控えた方がよい。
14 身体的プライバシーを聞くのは好ましくない。年齢の如何に関わらず体重や年齢を聞くのは好ましくない。
15 女性故に気にする身体の部位について聞いたり話題にするのは避けるべき。
16 女性心理は複雑。聞かれて嬉しいときもあるようだがプライバシーを詮索するような聞き方は好ましくない。
17 相手次第。女性の肉体的興味に結びつきやすいので一般的に言わないほうがよい。
18 男性の勝手な思いこみ。冗談でも言ってはいけない。
19 男性のモラルとしても問題あり。相手を侮辱することであり、常識が疑われる。
20 × 通常職場での思いやりの気持ちで聞くのは可。健康管理上聞く場合は可。
21 女性特有の現象を暗に聞くような事もやめるべき。マナーの問題。
22 プライバシーの詮索。個々人さまざまな生き方人生があって当然。
23 × それ以上の話の展開に気を付けよう。嫌がるなら聞かないこと。
24 余計なお世話だ。個々人の考え方、事情があることを認識しよう。個人の問題である。
25 これも余計なお世話。プライベートな問題であり、他人がとやかく言うべきではない。
26 職場で常識として聞く意味がまったくない。男性特有の興味である。
27 不快感を表しているのならその問題はやめるべき。感受性の問題。
28 × 嫌がるならそれ以上聞かぬこと。
29 事実を確かめないで言った事が波紋を広げる事がよくある。特にプライバシーのことは触れないこと。
30 このような噂話しを流され会社を辞めざるを得なかった女性もいる。訴訟を起こし会社に賠償命令の判例あり。
31 × 職場の中や客先で話題にすることは慎むべき。
32 × 相手の状況に応じしつこく勧めないことが肝要。
33 嫌がるなら強要しないこと。
34 同上。又順番で歌わせるなど嫌がるならやめるべき。
35 品位の問題。女性がいる席ならやめるべき。
36 くじで座席を決めるとか男女交互にとか合理的な決め方にしたらどうか。
37 強制してはいけない。自主判断に任せること。
38 強制はダメ。また男女が密着するようなゲームなども注意を要す。
39 デュエットで肩を組む程度でも、相手が嫌がるなら止めるべき。
40 × マナーとして自宅の近所まで送っていくなら可。
41 どんな場合でも誤解を受けるような事は慎むべき。
42 嫌がるのに誘ってはいけない。
43 × 通常は問題ない。嫌がるなら無理に誘わないこと。
44 酒の力をかりた行為や酔って覚えてないなどの言い訳は通じない。
45 × 仕事の一環として連れていくなら例えば残業申請なども考えておく事。又、相手先のクセをよく承知しておくこと。
46 盛り上げ役を強要したりもいけない。男女平等の役割を担うこと。
47 酒が入ると卑猥な話題も出がちだが程度問題。話題の打ち切りや転換をするような機敏な対応が望まれる。
48 立場の弱さ(例えば重要取引先等)故に黙認することなきよう配慮する。例えば席を立たせる。帰す。このような雰囲気にならぬよう配慮する。又女性自身にも主体性を持ってもらう。米国判例では会社の責任を問われたケースあり。
49 当人の気持ちを気遣うぐらいの配慮が必要。嫌がるならさりげなく帰してあげる等の融通性を。
50 仕事の範囲を超えたもの。厳禁。



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