基礎知識


男女雇用機会均等法の改正について

 男女雇用機会均等法の強化、女性労働者に対する時間外・休日労働、深夜業の規制

の解消等を盛り込んだ「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等のた

めの労働省関係法律の整備に関する法律」が1997.6.18 法律第92号とし

て、公布されました。そのポイントについては次のとおりです。


改正のポイント

1.男女雇用機会均等法

事項 改正法 現行法




募集・採用禁止努力義務
配置・昇進禁止努力義務
教育訓練禁止一部禁止
福利厚生一部禁止一部禁止
定年・退職・解雇禁止禁止
 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を確固たるものとするため、これまで事業主の努力義務となっていた募集・採用、配置・昇進について女性に対する差別が禁止され、また、教育訓練について差別が禁止される対象の範囲に限定がなくなります。

 これにより、募集・採用から定年・退職・解雇に至る雇用管理において、事業主が、女性に対して差別することが禁止されることになります。

女性のみ・女性優遇 原則として禁止 適法
 これまで認められていた女性のみを募集することや女性のみを配置すること等は、女性の職域を固定化したり男女の職務分離をもたらす等の弊害が認められるため、原則として「女性に対する差別」として新たに禁止されます。
調停 一方申請を可とする 双方の同意が条件
 個別紛争の迅速・簡便な解決を図る手段としての調停制度について、これまでは紛争の当事者の双方の同意が条件でしたが、当事者の一方からの申請により調停ができるようになったこと等制度が改善されます。
制裁 企業名の公表 (規定なし)
 女性労働者に対する差別を禁止する規定に違反している事業主がその是正を求める勧告に従わない場合には、労働大臣がその旨を公表する制度が創設されました。
ポジティブ・アクション 国による援助 (規定なし)
 国は、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となっている事情を改善することを目的とする措置(注:ポジティブ・アクション、男女労働者の間に事実上生じている差を解消するための取組)を構じ、又は構じようとする事業主に対し、相談その他の援助を行うことができる旨の規定が新設されました。
セクシュアル・ハラスメント 事業主の配慮義務 (規定なし)
 事業主は、職場における性的な言動に起因する問題(セクシュアル・ハラスメント)防止するため雇用管理上必要な配慮をしなければならない旨の規定が新設されました。
 労働大臣は、事業主が配慮すべき事項についての指針を定めることとしています。
母性健康管理 ※義務化 努力義務
 母性保護に関する措置の充実の一環として、これまで事業主の努力義務であった妊娠中及び出産後の女性労働者の健康管理に関する措置(注:母子保護法の規定による保健指導又は健康診査を受けるために必要な時間の確保、当該指導又は診査に基づく指導事項を守ることができるようにするために必要な措置を講じること)が事業主に義務づけられます。
 労働大臣は、事業主が講ずべき措置に関して指針を定めることとしています。


2.労働基準法

事項
改正法
現行法
女子の時間外・休日労働・深夜業 規制を解消 職業を規制
 満18才以上の女性労働者に係る時間外及び休日労働並びに深夜業(注:午後10時から午前5時までの労働)の規制が、女性の職域の拡大を図り、均等な取扱いを一層進める観点から、解消されます。これにより、女性労働者も深夜残業等を行うことが可能になります。
多胎妊娠における産前休業期間 ※14週間 10週間
 産婦人科医等の専門家の検討結果を踏まえ、多胎妊娠(注:双子以上の妊娠)の場合の産前休業期間が、現行の10週間から14週間に延長されます。


3.育児・介護休業法

事項 改正法 現行法
深夜業 育児又は家族介護を行う
労働者の深夜業の制限
(規定なし)
 育児又は家族介護を行う労働者の深夜業を制限する制度が創設されました。具体的な制度の内容は、次のとおりです。

 (1)事業主は、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者であって次のいづれにも該当しないものがその子を養育するために請求した場合においては、事業の正常な運営を妨げる場合を除き、午後10時から午前5時までの間(以下「深夜」という。)において労働させてはなりません。

 引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者

 深夜において、その子を常態として保育することができる同居の家族その他の労働省令で定める者がいる労働者。

 及びのほか、請求をできないこととすることについて合理的な理由があると認められる労働者として労働省令で定めるもの。


・施行期日:1999年4月1日から施行、ただし(※)印は、1998年4月1日より

       [男女雇用機会均等推進中央会議(1997.6.30)資料より]


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