1.ダイバーシティって何?
英語で書くと"Diversity"。"多様性"と翻訳されます。日本では一言で"ダイバーシティ"と表現しますが、これは英語の"Diversity & Inclusion"を省略したもので、本来は"多様性の受容"を意味します。
ここでは、単に"ダイバーシティ"と言い表しましょう。

2.ダイバーシティの考え方
ダイバーシティという言葉を使う時、そこで意図しているのは、「外見上の違いや内面的な違いにかかわりなく、すべての人が各自の持てる力をフルに発揮して組織に貢献できるような環境をつくる」ことです。言い換えれば、「世の中にはさまざまな人がいます。人種、性別、年齢、身体障害の有無などの外的な違いだけでなく、価値観、宗教、生き方、考え方、性格、態度、などの内面も皆違います。『こうあるべし』と画一的な型にはまることを強要するのでなく、各自の個性を活かし能力を発揮できるような組織をつくる。それは、個人にとってプラスであるだけでなく、組織自体にとっても大きなプラスである。」という考え方です。
つまりここでは企業の経営戦略として位置付けられているのです。しかしこの位置付けを外してこの考えを大きく拡大しても何の問題もなく、むしろ"社会と人権"というものを考える上で俄然光芒を発揮するのは明らかです。

3.アメリカ合衆国におけるダイバーシティの変遷
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ダイバーシティの考え方も、それを組織内で推進していこうとする活動も、アメリカで始まりました。もともと「黒人と白人女性」に対する差別的な人事慣行(採用、業績評価、キャリア開発、昇進など)を撤廃し過去の差別の結果を正そうとする動きがはじまりでした。過去アメリカでダイバーシティと言えば「黒人と女性という弱者救済」のプログラムとしてだけ捉えられていましたが、アメリカの社会に「さまざまなマイノリティ」(例えばメキシコ系やアジア系アメリカ人、同性愛者、高齢者、障害者、退役軍人など)が登場し、権利を主張するようになり、ダイバーシティの考え方も、より広い「マイノリティ」すべてを包括する考え方に変わってきました。現在多くの組織で行われているダイバーシティに関する活動は、あらゆる意味での多様性を尊重し、すべての人が同じ人権を持っているという考え方に根ざし、各自が持っているさまざまな能力をフルに発揮できる社会を作ろうという方向に変わりつつあります。アメリカの企業社会の中で、ダイバーシティ活動が最近盛んになっている背景には、「さまざまな個性を持った従業員がフルに能力を発揮することによって、新しい商品が生まれ、画期的なプロセスが実現し、新しい顧客に支援される企業が生まれる」という「人材」に対する再認識があります。つまり「人」という財産を上手に活かせる企業こそが飛躍的発展ができるという認識です。

4.日本の企業でダイバーシティを推進する意味
ダイバーシティを推進する活動はもともとアメリカで始まったものですが、現在の日本の企業にとっても考えてみるのに十分値するのではないでしょうか。
概して日本の社会は欧米社会に比べて組織の中に階級意識が比較的少なく、企業内でも職位に関係なく従業員が「会社のために」と考え、自らの仕事の改善を自発的に行う傾向があります。また、ボトムアップという形で現場の意見を経営判断に活かす機会も比較的多いようです。そういった面での「多様性を活かす」という点にかけては欧米の考え方を借りる必要はあまりないのかも知れません。他方、日本の社会では「和」や「人と同じように」、「ある集団にふさわしい行動規範」などに高い価値を置いているのも事実です。このような概念はそれぞれ大変重要な価値だと思いますが、一方では「一般的でない、人と違ったもの」を排斥しがちになることも否定できません。
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東京人権啓発企業連絡会の加盟企業内では同和・人権問題の研修を通じて、「すべての人間は侵すべからざる基本的人権を有し、差別されるべきでない」ことを十分に知っています。しかし日本の社会そのものが、ある面では保守的とも言えるほどの画一性を強く求める文化を持っているのは否定できません。また、場合によっては企業内で権威やポジション・パワーの濫用などにより、各自の能力が十分発揮されない場合があること、また「差別されている」と感じている女性がいるであろうことは想像がつくことです。
各企業を取り巻く環境には従来にない厳しさがあります。その中で求められるものは、それぞれの従業員が自分の持っている力を、そして各自の多様な強みをフルに発揮することなのではないでしょうか。

5.各自の職場でダイバーシティがどのように役立つのだろうか
ダイバーシティを推進する企業は「多様な個性を持った従業員全員が高い意欲を持ち、 能力を十分発揮していくことが企業のビジネス目標の達成を可能にする」と考えております。各自がそれぞれの目標達成のためにダイバーシティをどのように役立てるかを検討してみるのは有意義なことではないでしょうか。

6.ダイバーシティは企業戦略のみに留まらない
このダイバーシティから企業の枠を外して考えて見ましょう。つまり"多様性の受容"
こそ普遍的な"人権について考えること"に他ならないからです。以下"人権の尊重
されるより良い社会の創生"のために拡大して概要を纏めてみました。

人権の確立のためのダイバーシティの概要
1. 社会にはいろいろな人がいます
人種・民族 性別 年齢 身体障害の有無 価値観 宗教 生き方 考え方 性格
態度 等々

2. 個性は画一化する為に矯正するべきか、あるいはそのまま活かして発揮させたらどうなのか
「出る杭は打たれる」ということわざにもあるように、日本では、飛び出た所やへこんだ所を切り取って、全員同じ長方形にすれば、つまり画一的なタイルや煉瓦のように、どこにでもうまくあてはまると考えてきました。
この考え方は、小さな社会での場合には目的にかなっていたかもしれませんが、如何せん今の時代には遅れているといえるのではないでしょうか。
多様である各自の凸凹を切り取って、皆を小さな長方形にしてしまうことは、一人一人の持つ様々な能力を切り捨てることになり、全体の面積(全体の「人の力」の総和)も小さくなってしまいます。合理的でないともいえましょう。
第一、一人一人の凸凹を切り取るには労力と時間が必要です。そんなことに時間を費やすのにどんな意味がありのでしょう。

3. 結論
様々な凸凹を持った、個性豊かな人々が、適材適所で、各自の能力をフルに発揮できる社会。それこそ人権の尊重されるあるべき社会のような、そのような気になりませんか?





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