人権と人権侵害<シリーズ1> 「人権とは?」

私たちは憲法第11条において基本的人権が保障され、侵すことのできない永久の権利として認められています。しかし現実には基本的人権の侵害にかかわる様々な差別が未だ見受けられます。憲法の精神に則り、率先して人権侵害を無くさなければなりません。

■ 解 説

1)基本的人権とは…

「人権」とは、誰もが生まれながらにして持っている権利であり、幸せに生きるために、なくてはならないものです。
私たちは、誰もが幸せに暮らしたい、人間らしく生きたいと願っています。
そのために、例えば
自由にものが言えること
お互いの合意だけで自由に結婚ができること
教育を平等に受けられること
働く権利があり自由に職業が選べること
健康で文化的な生活が送れること 他

などが必要です。
これらの権利を総称して基本的人権と言います。
つまり、全ての人が「幸せに生きる権利」ともいうことができるもので非常に大切です。


基本的人権を保障し、あらゆる差別をなくすことは、「日本国憲法」および「世界人権宣言」 等で定めています。

【 日本国憲法 】
日本国憲法では、国民の基本的人権として、すべての国民が自由に生きるための権利としての「自由権」、人種、信条、性別、社会的身分、門地などにより差別されないとする「法の下の平等」、健康で文化的な最低限度の生活を営むことを保障する「生存権」、教育を受ける権利、勤労の権利、労働三権などの「社会権」 等を定めています。

【 世界人権宣言 】
第二次世界大戦で多くの人命が奪われたことや、ナチスによるユダヤ人の大量虐殺が 行われました。その背景には、人権の無視と深刻な差別が存在していたからです。
そのような悲惨な戦争を再び繰り返してはならない、すべての人の基本的人権を守り、 あらゆる差別をなくすことは全世界、全人類の課題であるとして1945年(昭和20年) 6月、諸国家は人権の普遍的尊重を明らかにした「国連憲章」を誓約し、同年10月に 国際連合が成立しました。
国連は、1948年(昭和23年)12月10日第3回国連総会で「世界人権宣言」が採択さ れました。
これにより、地球上のどの国でも守らなければならない世界共通の基準ができました。

その後、この精神を受けてより具体化するために、国際人権規約[社会権規約・自由権規約]が1966年(昭和41年)に採択され、1976年(昭和51年)に発効しました。
日本でも1979年(昭和54年)にこの規約を批准して、人権尊重を世界に誓っています。
*なお、人権規約のうち、個人通報を定めた「自由権規約の選択議定書」と、死刑
廃止を目指した「自由権規約の第2選択議定書」は批准していません。

・社会権規約(A規約)「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」
⇒保障されているのは、労働の権利、社会保障についての権利、教育についての権利などの社会権です。

・自由権規約(B規約)「市民的及び政治的権利に関する国際規約」
⇒保障されているのは、思想・言論・集会・結社の自由、身体の自由と
と安全、移動の自由、差別の禁止、法の下の平等などの自由権です。

 「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ尊厳と権利について平等である」とうたった世界人権宣言が採択されて(1948年12月10日)50年が過ぎた今日、人権にかかわる条約や法律の趣旨をいま一度理解し、自己の課題として受け止め行動できる感性を養っていきましょう。
2)人権問題の動向

現実の問題としては、私たちの身の回りには、生まれた場所・職業・学歴のほか性別・ 貧富・家柄 などによる差別がいろいろな形で存在し、多くの人々の幸せを妨げていま す。

【 世界の動き 】
1980年代以降、世界経済のグローバル化が急速に進み、国境を越えた資本と人の大移
動の中で、国際状況の変化が顕著になってきた。このような流れの中にあって、国連の役
割が再評価され「人権」を基軸とした国際的な共通基準づくりが求められるようになって
きた。いまや、反核・軍縮に加え「平和・人権・共生・環境・開発」が、世界人類の課題として、
21世紀 のキーワードとなってきている。 しかしながら、世界各地において民族や宗
教の紛争対立や飢餓などによる、極めて深刻な差別の実態や人権侵害の現実がある。


【 国内の動き 】
日本国内においても、世界的な流れと歩調を合わせながら、内なる国際化の進む中、反差
別や環境を守る市民運動が「豊かさの実感できる共生社会」の実現に向けての動きが高
まってきている。しかし依然として、部落差別や在日韓国・朝鮮人、難民など外国人差別や、アイヌ民族、障害者、女性、婚外子、HIV感染者などへの差別事件が、より陰湿化
されつつ多発している。




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