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PIC(Pictogram Ideogram Communication)は、音声言語や文字の使用・理解が困難な人のために、「絵単語や表意文字によるコミュニケーションの手段」として、1980年にカナダの言語聴覚士であるサブハス・マハラジ氏(Dr.
Subhas Maharaj)によって考案されました。日本ではこの考えを受け、日本PIC研究会(藤澤和子代表、企画・監修は同志社大学(教育学)井上智義教授)により、PICシンボルの研究開発が進められています。
人びとは古くから、岩に描いた絵やジェスチャーなど音声言語以外の方法でコミュニケーションを行ってきました。ジェスチャーが標準化された後に手話などが生み出され、コミュニケーションについての伝統的な考え方から、新たな考えを導くための、大きな飛躍の第一歩と捉えられています。
1960年代に入り、アメリカのいくつかの大学病院で視覚イメージを標準化したような線画の使用や、1970年代にはカナダの小児科でのコミュニケーションシンボルとして使われるブリス・シンボル(Blissymbol:ブリスは考案者の名前)などが研究・使用されますが、これらのコミュニケーション手段をより分りやすく、具体的な物事を表現するピクトグラム(Pictogram = 具体的な絵単語)と抽象的な概念を表わすイディオグラム(Ideogram
=抽象的な絵単語)との2つのタイプのシンボルを結合させたのが、PICシンボルです。
わが国でも、早くから公共交通機関で表示されている「優先席」をはじめとするマナー向上を狙いとした車内ステッカー図柄(ピクトグラム:(1)参照)のように、定着しつつありますが、さらにシンボライズされた、PICシンボル((2)参照)が、現在、障害のある人のためだけではなく、高齢者の介護施設や学校教育の場などでの有効なコミュニケーション手段として、広がりつつあります。
また、2002年のサッカーワールドカップを前に、空港や駅、ホテルなど公共施設に掲げる案内表示を、外国人や障害のある人にも分かりやすいシンボルに統一しようという動きなどとともに、PICシンボルがますます利用されるものと思われます。
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