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他方、日本には営業本部、海外本部、管理本部のように事業本部制を敷く企業もたくさんあります。この種の企業の従業員は所属する本部内の異動はしばしばあっても、本部をまたぐ異動はそれほどないことが普通です。そのため、所属する本部の業務内容に精通していますし、命令系統がしっかりと確立しているため仕事上の立場や役割が理解しやすい状況におかれています。 図3は、プロジェクトティーム制企業、事業本部制企業、および電機メーカー工場のそれぞれの従業員の疲労感と憂うつ感をストレス調査によって調べた結果です。通常「社内うつ」は疲労感→苛々感→緊張感→身体不調感→憂うつ感の順に気分が悪化しますから、図に示す疲労感は「社内うつ」の入り口であり、憂うつ感は「社内うつ」そのものと言うことができます。図からは、プロジェクト制の企業が疲労感、憂うつ感の両方が最も高いことが分かります。私と私の研究室の臨床心理士たちがこの調査後に3つの企業の従業員に面接した結果からも図と同様な情報を得ることができました。 |
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「社内うつ」の原因が裁量権不足と役割不明瞭にあることは先に紹介しました。裁量権不足は、部下にできる限りの権限をあたえ仕事を任せる姿勢を上司が示すことでかなり改善されるでしょうし、役割不明は、担当する業務の目的や期待される業務の成果を上司が説明すればある程度までなくなるでしょう。この点からすれば「社内うつ」は上司の部下管理のしようによって、改善できる糸口があることになります。長いあいだ企業従業員のカウンセリングをしていますと、「社内うつ」を作ることが得意な管理職者がいることが分かります。彼は異動した先々で次々と「社内うつ」を製造しますが、反対に部下に仕事を任せて“責任は僕が取るから存分にやってごらん”と言うタイプの上司の下には「社内うつ」がほとんど生まれません。 |