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| ▲講演中の筆者。各地で開かれている男女共同参画セミナーでは、講演の後、参加・発見型のワークショップもしばしば行われる。 |
「文化的・社会的に作られた性別」という意味でのジェンダーという言葉が広がったのは、1970年前後のことです。その背景には、女性解放運動や女性学の発展がありました。女性であるということで、個々人の能力や個性をひとくくりにされ、差別されたり社会的排除を受けてきた女性たちにとって、このジェンダーという考え方は、きわめて重要な意味をもっていました。というのも、性差別の多くは、このジェンダーに由来すると考えられるからです。
どんなに優れた発想をもっていても「女性だから」と発言を封じられたり、「どうせ女だから家庭に入るのが一番」などという決めつけが、これまでの男性主導の社会ではしばしば見られました。でも、ここにジェンダーという視点を入れると、ちょっと考え方を変えざるをえません。
ジェンダーの視点は、「女とはこういうもの」とか「男だからこうだろう」という性別による決めつけが社会や文化の産物だと考えます。つまり、その多くが、習慣や伝統といわれるもののなかで、人間の意識が作り出したものだということです。「女」としてひとくくりにされ差別されたり排除されてきた女性たちは、自分たちが個性や多様性をもった一人の人格として社会参加・参画するには、この固定的な決めつけを乗り越える必要がありました。この決めつけの基礎にあるジェンダーの構図が、人間によって作られたものであるなら(つまり「自然」によって規定された不変的なものでないなら)、人間の意志によってこの構図は作り替えることができるということでもあります。
こうして、男女平等を目指す女性たちにとって、このジェンダーという視点はきわめて有効なものになったのです。
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