現代のいじめとは
挿絵挿絵

挿絵  いじめを苦にして自殺をした子どもがいると

いう報道が繰り返し続きます。学校の中での

いじめは深刻であると訴えられています。

文部省や法務省を初めとする、教育関係者や

人権擁護機関はいじめ問題の対策のために、様々な調査や提言を行って

います。

 しかし現実には、なかなかその実態が見えない、何が問題なのかよく

わからないというのが、多くのみなさんの実感なのではないでしょうか。

いじめは自分たちが子どもの時もあった、大人の社会でのいじめもひど

い、日本だけの特殊な現象でもあるまい、何故こんなに騒がれているの

かといった感想をお持ちの方もいらっしゃると思います。

 確かにその通りなのです。いじめは、古今東西どこにでもあります。

大人の社会での仲間はずれ、無視、足の引っ張りあい、人を威圧したり、

からかったり、失敗をさせて憂さ晴らしをするといった不快な人間関係

は、至るところで体験されているでしょう。

 多数派による少数派の封じこめ、価値観の違う人間の排除、自分が

受けた屈辱を晴らすために、さらに弱い存在にあたり散らすといった

暗い感情は、多くの大人たちの中に潜むものでしょう。それが個人と

個人の関係を越えた社会的現象として現れると、人種差別、女性差別、

障害者差別、同和問題などの目に見える形で社会問題化するわけです。

 子どもたちを苦しめているいじめも、根は全く同じところにあると

言えると思います。

挿絵

 ただ現代の学歴社会、受験戦争という枠組みの

中にある、学校という非常に閉ざされた状況の中で

起きているいじめは、子どもたちに逃げ場を失わせ

てしまうという意味において、大人社会で考えられ

るよりも、あるいは昔の子ども社会でのいじめよりも、ずっと陰湿で深刻

になっています。また友達どうし、あるいは先生と生徒、そして親子の間

ですら、人間どうしのほっとしあえる関係がなかなか持てなくなっている

という様相も、いじめの渦中にある子どもたちをさらに救いがたいものと

しています。


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