2004(平成16)年中の「人権侵犯事件」
の状況(概要)について

 法務省の人権擁護機関は、人権侵犯事件調査処理規程(別紙)に基づいて、人権侵害被害の救済にあたっていますが、2004(平成16)年の人権侵犯事件の状況は以下のとおりです。

1  平成16年中に取り扱った人権侵犯事件数の増加状況(図1)
 (1)  平成16年は,開始件数,処理件数ともに平成15年を約20%上回る大幅な増加となり,
    過去最大の件数となった。
    @新規に救済手続を開始した人権侵犯事件数22,877件(対前年比で4,091件(21.8%)
      増加)
    A処理した件数22,379件(対前年比で3,736件(20.0%)増加)
    B処理区分別状況・「援助」(法律上の助言や関係機関への紹介)20,614件(92.1%)
     ・「説示」(反省を促し善処を求めるため事理を説示)183件(0.8%)
     ・「措置猶予」(事案の軽重や反省の程度,懲戒の有無等を考慮して措置を講じない)
      140件(0.6%)
     ・「要請」(被害の救済のための実効的な対応ができる者に対し必要な措置を執るよう
     求める)148件(0.7%)・「調整」(相手方との話合いを仲介)143件(0.6%)
     ・「啓発」92件(0.4%)
     ・「勧告」(特に重大・悪質な事案に関し文書をもって是正を求める)1件
     ・「告発」(刑事訴訟法の規定に基づく)1件
     このほか、「侵犯事実不存在」が523件(2.3%),「侵犯事実不明確」が368件
      (1.6%)となっている

2  事件種類別にみた新規救済手続開始事件数の動向について(図2)
    侵犯事件を種類別に分けると、
    @特別公務員に関するもの(警察官等)
    A教職員関係
    B学校におけるいじめ
    C刑務職員関係
    Dその他の公務員(国家公務員、地方公務員等)
    E暴行・虐待(女性、子ども、高齢者等)
    F強制・強要(オレオレ詐欺、架空請求、振り込め詐欺、セクハラ、ストーカー等)
    G住居生活の安全関係(公害、相隣間におけるもの、不動産等)
    Hプライバシー関係(報道機関、インターネット、相隣間におけるもの等)
    I差別待遇(女性、高齢者、障害者、同和問題、外国人、刑を終えた人、等にかんするもの)
    J労働関係(不当労働行為、労働基準法違反等)
    K社会福祉施設関係(施設職員によるもの等)
    に分類することができる。特に、今話題の多い「プライバシー関係」「差別待遇」については、
    次のとおりである。

(1)  プライバシー関係事案 平成16年中における「プライバシー関係」事案は1,496件,対前
   年比18.1%の伸びを示している。 特にインターネットによるプライバシー侵害の事案の増
   加(91件から199件)が顕著であり,5年前(平成11年)の11.7倍の件数となるなど,急伸
   している(図3)。
(2) 差別待遇(図4) 平成16年中における「差別待遇」事案は,1,068件と対前年比約44.5
   %の伸びを示しており,5年前の平成11年と比べると約3.3倍の伸びとなっている。 

(図1)
新規受理・処理状況の推移(全事件)
グラフ

(図2)
事件種類別事件数比較表
グラフ

(図3)
インターネットに関する人権侵犯事件数
グラフ

(図4)
差別待遇
グラフ


※ 法務省ホームページ資料より

「人権侵犯事件調査処理規程」(概要)


法務省は、新しい人権侵犯事件調査処理規程(以下「新規程」という。)を制定し、2004年4月1日から施行しました。 新規程は、最近の人権侵犯事件の増加やITを利用した新しい類型の人権侵犯事件の発生などの社会情勢の変化と、人権侵犯事件の調査処理手続きに対する被害者側からの要望などを踏まえて、被害者の立場でこれまでの人権侵犯事件の調査処理システムを再構築したものです。法務省の人権擁護機関は新規程の下で、 被害者の立場で次のような対応に努めることとしています。 
図
画像をクリックすると、法務省・法務局のサイトより「人権侵犯被害申告シート」(Excelファイル)がダウンロードできます。
≪主な改正点≫
(1) 被害の申告があれば、例外的な場合を除き、速やかに受理して対応する。
(2) 被害の予防と回復のため、法律的なアドバイスをする「援助」や当事者間の話合いを仲介する「調整」などの措置から、加害者に対する「告発」や「勧告」といった厳しい措置まで、7種類の救済措置を迅速・柔軟に講じる。
(3) 救済手続の終了後は、被害者に処理結果の通知をし、また、アフターケアにも努める。
なお、被害の申告の便宜を考えた「人権侵犯被害申告シート」を用意し、法務局・地方法務局に備え置くほか、法務省・法務局のホームページ掲載し、自宅でプリントアウトして利用できるようにしている。
<新規程による被害者救済制度の内容については、法務省・法務局のホームページ(http://www.moj.go.jp/及びhttp://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/)にも掲載されています。>

■人権を侵害されたら(人権侵害の被害を受けた方へ)