求職者等の個人情報の取扱いについて


 平成11年6月、職業安定法が改正され、新たに「求職者等の個人情報の取扱い」(第5条の4)についての規定が設けられました(平成11年12月より施行)。

 この規定において、労働者の募集を行うすべての者は、求職者等の個人情報について「その業務の達成に必要な範囲内で収集・保管・使用しなければならない」と定めています。また労働大臣(現・厚生労働大臣)による「指針」が公表され、原則として収集してはならない個人情報、個人情報の収集方法等が具体的に定められました。


1 「個人情報」とは
  
(1) 「個人情報」とは、ある個人に関して、特定の個人であると識別することのできる情報をいいます。他の情報との照合により個人を特定出来る場合も含まれます。
(2) 「個人情報」のうち「秘密」とは、一般に知られておらず、他人に知られないことにより、本人が相当の利益を有すると客観的に認められる事実をいいます。「秘密」に該当する事項としては、「本籍地」「出身地」「支持・加入政党」「政治運動歴」「借入金額」等が挙げられます。


2 「指針」が定める「収集してはならない情報」
  
(1) 人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項
 例 「本籍地」「出生地」「家族状況(学歴・職業・収入等)」「生活環境・家庭環境」「住宅状況」「本人の資産(借入状況)」「容姿・スリーサイズ」
(2) 思想及び信条
 例 「思想」「宗教」「人生観」「生活信条」「支持政党」「購読新聞・雑誌」「愛読書」「尊敬する人物」等
(3) 労働組合への加入状況
 例 社会運動に関する情報(労働運動、学生運動、消費者運動等)
 なお、収集可能な個人情報についても、本人から直接収集し、叉は本人の同意を得たうえで本人以外の者から収集する等「適性かつ公正な手段」によって収集しなければなりません。
 また、高等学校若しくは中等教育学校または中学校の新規卒業予定者から応募書類を求める場合、職業安定局長が定める書類(「全国高等学校統一用紙」または「職業相談票(乙)」)により提出を求めなければなりません。
  
<関連法抜粋

職業安定法第5条の4(求職者等の個人情報の取扱い)
 公共職業安定所等(注:「公共職業安定所」及び「職業紹介事業者」、「労働者の募集を行う者」及び「募集受託者」並びに「労働者供給事業者」を指す)は、それぞれ、その業務に関し、求職者、募集に応じて労働者になろうとする者又は供給される労働者の個人情報(以下この条において「求職者の個人情報」という。)を収集し、保管し、又は使用するにあたっては、その業務の目的の達成に必要な範囲内で求職者等の個人情報を収集し、並びに当該収集の目的の範囲内でこれを保管し、及び使用しなければならない。
 ただし、本人の同意がある場合その他正当な事由がある場合は、この限りではない(以下略)。

労働大臣指針 第4 法第5条の4に関する事項(求職者の個人情報の取扱い)
1 情報の収集、保管、及び使用
(1) 職業紹介事業者等(注:労働者の募集を行う者すべて)は、その業務の目的の範囲内で求職者等の個人情報(以下単に「個人情報」という。)を収集することとし、次に掲げる個人情報を収集してはならないこと。ただし、特別な職業上の必要性が存在することその他業務の目的の達成に必要不可欠であって、収集目的を示して本人から収集する場合はこの限りではないこと。
人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項
思想及び信条
労働組合への加入状況
 
(2) 職業紹介事業者等は、個人情報を収集する際には、本人から直接収集し、又は本人の同意の下で本人以外の者から収集する等適法かつ公正な手段によらなければならないこと。
(3) 職業紹介者事業者等は、高等学校若しくは中等教育学校又は中学校の新規卒業予定者から応募書類の提出を求めるときは、職業安定局長の定める書類(全国高等学校統一用紙又は職業相談票(乙))により提出を求めること。
(4) 個人情報の保管又は使用は、収集目的の範囲に限られること。ただし、他の保管若しくは使用の目的を示して本人の同意を得た場合又は他の法律に定めのある場合は、この限りでないこと。
(以下略)

東京都労働経済局発行「採用と人権」より抜粋