
『人種差別撤廃条約』とはどのような条約なのか |
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| はじめに 国際社会は、地球の平和や発展を考えていく際に、人種主義や人種差別の問 題に取り組むことが大切だと改めて認識するようになっています。 そこで、国連総会は、「人種差別撤廃条約」の理念を実現するため、この度 南アフリカのダーバンで、国連主催の「人種差別反対世界会議」を18年ぶりに 開催致しました。 |
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■人種差別撤廃条約とは |
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| あらゆる形態の人種差別撤廃に関する国際条約は1965年12月21日に国連で採択され、69年に発効しました。 この条約の採択の背景には、1960年前後のヨーロッパ社会における新しいナチズムの台頭があったこと、さらには、アフリカにおける植民地支配から独立した17ヶ国が国連に加盟したことによって、人種差別撤廃の気運が国際的に高まったことなどがあげられます。 差別を撤廃していく基本的な視点として『差別撤廃は人権確立の基礎』、『差別は科学的に合理化されない』、『世界の平和と安定を脅かす』そして、『差別は差別する人びとの人間性をもそこなう』ことなどが明確に指摘されています。 また、差別を撤廃する基本方策として、差別行為の法的な禁止と救済、劣悪におかれている場合の特別措置、さらには、差別を撤廃するための教育、情報、文化活動の具体的な措置と、異なった文化や伝統を持つ人びととの共生の考え方が盛りこまれています。 |
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| ■人種差別の定義 | |
| この条約における「人種差別」とは、「政治、経済、社会、文化的またはその他のすべての公の生活分野において・・・・人種、皮膚の色、門地又は民族的出身に基づくあらゆる区別、除外、制約または優先をいう」と述べています。従って、この条約がめざしている差別の撤廃はきわめて広範なものとなっています。(第1条)
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| ■法律による差別の禁止 | |
| 「当事国は、事情により必要なときは立法を含むあらゆる適切な手段により、いかなる個人、集団または団体による人種差別を禁止し、終わらせる」と述べ、差別を法律で禁止することを求めています。(第2条) そしてさらに、人種差別の宣伝・扇動、人種差別にもとづく暴力行為やその扇動、そして、これらを目的とした団体の結成や加入、さらに、これらに対する公的機関の関与や援助、など全て犯罪とみなし、処罰することを求めています。(第4条) |
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| ■特別の積極的な措置 | |
| 差別を法的に禁止するだけでは改善することが困難な状況にある場合、特別の積極的な措置を取ることが求められています。ただし、この措置は、この目的が達成された段階で廃止しなくてはなりません。(第2条)
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| ■差別撤廃のための教育・啓発 | |
| 教育やマスメディア、さらには文化活動をとおして、差別観念を払拭し、人権尊重の意義を確立するよう求めています。そして、条約は「諸国間及び人種的または種族的集団における理解、寛容な態度で接し、協調していくという生き方=共生を身につけることが求められています。(第7条)
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| ■条約を守るための方策 | |
| この条約を締結した国は、定期的な報告書の提出が義務づけられています。 一方、条約に違反した事項があれば、個人または団体が直接、人種差別撤廃委員会に訴えることができます。(第9条、14条、15条) そして、訴えを受けた委員会は調停や和解、勧告をだすことができます。(第11条、12条、16条) |
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| おわりに この条約は、1999年3月現在、150カ国が締結しています。この条約の精神・ 定義・運用状況から見て、差別の対象は、部落差別のような身分差別をはじめ、 先住民族に対する差別、在日韓国・朝鮮人に対する差別、その他の在日外国人 に対する民族差別など実に広いものです。また、単に公的な機関が行う差別だ けでなく、企業や団体さらには、個人によって行われる政治的、経済的、社会 的な分野での差別もこの条約によって、撤廃が求められています。 |
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| ■条文案内 | |
| 第1部 実体規定 | |
| 1条 | 人種差別の定義 |
| 2条 | 当事国の差別撤廃義務 |
| 3条 | アパルトヘイトの禁止 |
| 4条 | 人種的優越主義に基づく差別及び煽動の禁止 |
| 5条 | 法の下の平等、権利享有の無差別 |
| 6条 | 人種差別に対する救済 |
| 7条 | 教育文化等の分野における差別撤廃精神の普及 |
| 第2部 実施措置 | |
| 8条 | 人種差別撤廃委員会の構成及び委員の選出と任期 |
| 9条 | 当事国の報告と委員会による審議 |
| 10条 | 委員会の運営 |
| 11条 | 当事国の義務不履行と委員会の審議権 |
| 12条 | 特別調停委員会の構成と委員の選挙 |
| 13条 | 特別委員会の調停活動 |
| 14条 | 個人及び集団の申し立てと委員会の権限 |
| 15条 | 他の国際文書が認める個人の請願権 |
| 16条 | 他の国際文書による紛争又は苦情の解決 |
| 第3部 最終条項 | |
| 17条 | 署名・批准・寄託 |
| 18条 | 加入 |
| 19条 | 効力発生 |
| 20条 | 留保 |
| 21条 | 廃棄 |
| 22条 | 条約の解釈と摘要に関する紛争 |
| 23条 | 改正 |
| 24条 | 国連事務総長による通報 |
| 25条 | 正文 |