ご存じですか
1.「沖縄の歴史と位置」

 
「沖縄の歴史と位置」
広報委員 大島 俊男

 九州の南の端から台湾に至るまでの約1200キロの海上に、弓なりに弧状に連な る60余りの島々を、「琉球弧」または、琉球列島という。
 今回、我々が沖縄を特集として取り上げるにあたり、あまりにも沖縄の歴史をはじ めとして、多くのことを知らなすぎる現実を認識した結果、改めて沖縄の歴史と位置 付けを考察してみました。沖縄問題を理解する上での一助となれば幸いです。

●ルーツ

 日本民族の六源流の一つとして、古代・中世の蝦夷の直接の子孫である「アイヌ」 民族と沖縄を中心とする南西諸島の「南東人」は、縄文人の末裔に連なる系譜である 説が有力になってきているという。(桃山学院大学名誉教授、沖浦和光氏の説。「明 日へ」第17号10ページ参照)

●古琉球の時代

 長い先史(貝塚)時代のあと、琉球は農耕社会を基盤としつつも、農耕地や集落に 適した台地に多くのグスク(城)を形成し、これらの集落に政治的支配者按司が登場 する、グスク時代を迎える。
 その有力按司たちの抵抗と結合の結果、14世紀前期から後期にかけて中国の明皇 帝から北山・中山・南山の各王が琉球国の王として位置づけ(冊封)られた。
 1429年、尚巴志による統一で琉球王国が形成され、仏教の伝来とともにアジア 各国との交易が盛んに行われる時代。
 古琉球の人びとの豊かな想像の世界を、おおらかに表現した叙情的歌謡「おもろさ うし」の編集や、中国からの三線が伝えられ、8・8・8・6音の表現方法(琉歌) が成立するなど、琉球文化の開花期でもあった。

●近世琉球

 1609年、薩摩藩の侵略で薩摩の管理下となり徳川幕藩体制に組み込まれる。  琉球王国には約九万石の年貢などを課せられ、「一五条の掟」によって薩摩藩の許 可なく中国との交易を禁じられるなど、弾圧を受ける一方、中国との貿易を模索する 幕府や薩摩藩の思惑も絡んで、進貢政策を琉球王によって進めるという、二重支配の 時代でもあった。

●近代沖縄から現在

 廃藩置県に伴い、武力によって琉球王国を解体し、沖縄県を設置(琉球処分)。  沖縄の支配圏をめぐる中国との争いは、日清戦争の集結によって決着するが、沖縄 県民には古い慣習の撤廃と皇民化が日本政府によっておしすすめられた。また、昭和 初期の世界恐慌などによる、深刻な不況の波が沖縄にも及び、極度に疲弊した農村で は、米はおろか芋さえも口に入らず、調理を誤れば命をも奪うソテツの実や幹を食べ て飢えをしのがねばならなかった、いわゆるソテツ地獄もあった。この時期の多くの 人びとの海外移住や阪神地域を中心とする出稼ぎは、貧困から自らがはいあがるため の行動であった。
 そして1945年の沖縄戦を経て、アメリカ統治時代、復帰、その後の現在を迎え るが、常に外部からの大きな圧力に圧倒されている沖縄の姿が浮かび上がる。
 薩摩藩が明治維新で中心たり得たのは、琉球からの収奪が財力となったためであり 、第2次大戦で唯一国内地上戦を強いられた沖縄が、本土侵攻の防波堤となったこと も事実である。
 今日、日本のたった〇・6%の面積しかない沖縄に、在日米軍基地の75%が集中 している現実に、1609年の薩摩藩の琉球侵略からおよそ400年、依然として変 わらない歴史的位置づけを見る想いである。

<年表>
先史時代(数万年前〜12世紀ごろまで)
古琉球時代(12世紀〜1609年まで)
1429年 琉球の統一、琉球王国のはじまり。アジアとの大交易をおこなう。
近世琉球(1609年〜1879年まで)
1609年 薩摩藩の琉球侵略。
1634年 「江戸上り」はじまる。(1850年まで)
1872年 琉球藩の設置。
近代沖縄(1879年〜一九四五年の沖縄戦まで)
1879年 琉球処分がおこなわれ、沖縄県が設置される。(琉球王国の解体)
1899年 海外移民はじまる。
1923年 県外の出稼ぎが多くなる。
アメリカ占領下の時代(一九四五年〜一九七二年まで)
1945年 アメリカ軍が沖縄に上陸する。
1952年 サンフランシスコ平和条約と日米安全保障条約が発効される。
1953年 第1回祖国復帰県民総決起大会が開かれる。アメリカ軍基地建設のた めの「土地収用令」が公布される。 返還後の沖縄県(1972年〜現在まで)
1972年 施政権が日本に返還される。
1995年 アメリカ兵による少女暴行事件の糾弾と日米地位協定の見直しを要求 する沖縄県民総決起大会が開かれる。
2000年 九州・沖縄サミット開催。
●参考文献

大阪人権博物館「展示総合図録」
同 「リバティノート4」
新城俊昭著「高等学校 琉球・沖縄史」
金城 実著「知っていますか? 沖縄 一問一答」
全同教講演集1「人権文化の創造をめざして」より、「和真一郎:キョラサ」


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