私の長男は小学校に入学以来、地元の剣友会に入会して剣道を続けています。そんな関係もあって、練習試合や市民剣道大会となると、保護者は大会運営のお手伝いをさせられます。先日も地域の剣友会が集まっての練習試合では、選手召集係を仰せつかり、会場で子ども達の試合を間近で見ていたときのことです。明らかに右の手足に障害のある選手がいました。遠目でみても障害者とはっきりと分かる歩き方です。やがてその選手が控えの場所に入ると、反対側の対戦相手となる選手に、初老の指導者が近づいてきて「今日の対戦相手は足が悪いので、ぶつかったり押し出したりしてはいけない、正々堂々と打ち合って勝つように!」と諭すように指示すると、選手は大きく頷いて相手を見ていました。試合が始まると子どもの対戦とは思えないように間合いを取って、気合とともに一瞬のうちに双方が打ち込むというすばらしい展開となりました。 勝ち負けの伴う競技では、相手の弱点を責めるのも立派な作戦なのですが、相手選手の障害によるハンディにつけ込まず、堂々と打ち合えといった指導に、剣道という競技のなかに息づく武士道に触れたようで、清々しい感動を覚えました。 |