エッセイ

最近思ったこと 伊藤 一徳

 それは夏の暑い日の午後のことだった。ある集会が終了しやれやれという感じで空港行きのバスに乗り込んだ。バスはほぼ満員で出発時刻という時に、バスの前方から高齢の女性がこのバスに乗りたいのであろう、少し急ぎ足でやってきた。その後乗車口のところで係員と何か揉めていた。聞き耳を立てると女性はこのバスに「乗りたい」といっており、係員は「空港まで直行で途中下車できないので無理だ」と言っているようだった。係員が他の乗り場を案内するでもなく少しつっけんどんであったことと、女性のがっかりした顔が印象に残った。また、自分は傍観者であったと後悔も残った。         
 話は変って、つい一週間前、朝、駅で始発電車を整列して待っていた。電車が到着するやいなや少し後ろにいたランドセルを背負った小学生が、並んでいる高齢者をすごい勢いで掻き分けて席に座り電子ゲームを始めた。元気がいいと思う反面、毎日、どんな気持で電車に乗っているのだろうかと思うと少し空しくもなった。
 現在の交通機関や施設が高齢者という生活弱者にとって使いやすいにものになっているかというと疑問だ。高齢者が増えることへの対策はどうなっているのか、危惧するところである。
ただ、どんな立派なハードをつくっても最後はハートだなと思う今日この頃である。


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