エッセイ

女性の坑内労働解禁 千葉 昌

 女性の坑内労働が解禁される見通しとなった。ジェンダーの話題でよく取り上げられるのが相撲の土俵とトンネル内への女性の立ち入りだった。建設会社に勤めているため、トンネル内へ女性の立ち入りを禁じている理由について尋ねられ、労働基準法で禁じられていると答えるとけげんそうな顔をされたものである。それは「トンネルに女性が入ると山の神が怒る」という迷信が根強く残っているからだと思う。
 今回、作業環境の安全が高まったことを受けて労働基準法が改正され、女性の坑内労働が解禁される。しかし、1947年の労働基準法の制定以前には女性が坑内で働いていた事例はいくつもある。かつて、炭鉱では男性はふんどし一つ、女性は腰巻だけで働いていたという。五木寛之さんの「青春の門・筑豊編」にそういった女性たちが出てくるらしい。昭和初期、東海道本線の丹那トンネル工事では、レンガ積みの補助作業を行なっていた女性が落盤事故で亡くなっている。
 先の迷信の「山の神が怒る」というのはトンネルが落盤、出水等で崩壊することを指す。就業環境の安全が高まり、女性の活躍の場が広まることを素直に喜びたい。


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