エッセイ

返事の大切さ 木場 三郎 

テレビの報道を見て感じたこと  先日、新聞の読者欄で「病院の待合室や薬局で"はい"と返事をする人は非常にまれ」という内容の投稿記事を読んだ。いわれてみればそのような気がする。確かに病院などには具合が悪くて来ているのだから、元気に"はい"と答えられないのも無理からず仕方がないのかも知れない。しかし、良く考えてみると、これらの場に限らずもっと身近なところでも挨拶や返事が疎んじられてはいないだろうか。
毎朝出勤時、受付けや警備の人の「おはようございます」の挨拶に対して、「おはようござます」と返事をする社員の少ないこと。ましてや、自分の方から「おはようございます」と声をかけている社員などほとんど見かけたことがない。みんな、頭の中は仕事のことで一杯で、挨拶や返事どころではないのだろうか。
 返事といえば、先日最終回を迎えたドラマ「僕と彼女と彼女の生きる道」の中で、子ども(凛ちゃん)が父親(草g剛)や家庭教師(小雪)に、"はい!"と短くはっきりと、しかも自分の意志を伝えるかのごとく受け答えするのを見ていて、何かこちらの気持ちもすがすがしくなり、返事の基本を教えられたような気がした。
 携帯電話やパソコン等IT化の進歩により、顔を突合わさなくてもお互いの意思を伝達できるようにはなったが、デジタルでは伝えきれない何かがあるのではないだろうか。傷害や幼児虐待など人権を侵害する事件が、さも当り前のように発生している今日、どうも、挨拶や返事が疎んじられるようになってきたことと無関係ではないように思えてならない。


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