エッセイ

ドラマ「砂の器」に思う 

テレビの報道を見て感じたこと  日曜日午後9時からのSMAP中居正広さん主演のドラマ「砂の器」を、私は原作や野村芳太郎監督の名作映画とオーバーラップして見ている。この「砂の器」のテーマはご存知のように、ハンセン病の父親を持った宿命から殺人までも犯してしまうものである。映画では、その親子がハンセン病を贖罪と考え、日本各地を巡礼する姿を日本の四季折々の美しい映像と重厚なテーマ曲の中で映し出しており、テーマの重さとともに今でもその姿に強い印象を持っている。人権担当になる以前は、ハンセン病の肉親を持つとのことで殺人まで犯し、自分の過去を消し去ろうとすることに現実感を持たなかったように思う。
 昨年、人権啓発東京講座を受講する機会を得、多磨全生園を訪問し、入園されている方からのお話や資料館の見学でハンセン病への正しい理解の必要性と差別の実態を実感した。
 決して不治の病でないハンセン病にかかることで、人生そのものを拘束され自由がなくなってしまう現実、その家族であることからの差別の存在には、強い憤りを感じた。この思いを、社内の人権啓発研修に活かしていこうと考えている。私たちはハンセン病の事実を決して忘れ去ってはいけないし、正しい知識を持たないことで、これからも起こりえる病気や患者への偏見をなくしていくことの教訓としなくてはならない。


戻る  ホームに戻る