エッセイ

ちょっとした行動 田辺 詔治 

テレビの報道を見て感じたこと  営団地下鉄と警視庁共同制作の「痴漢防止ポスター」が、各駅構内に張られていました。ポスターのイラストで痴漢行為者の男性の顔だけが褐色に描かれ、それを取り囲んだ人たちの顔は真白に描かれていたことがとても気になりました。私には行為者の男性が黒人と映ったからです。無神経なポスターと思い、営団地下鉄広報部に電話で私の考えを話しました。「ご意見ありがとうございます」との返事でしたが、その後もこのポスターは掲示されたままでした。
 それから、二か月程過ぎた十二月のある朝、全てのポスターはイラストが一新されて張り替えられていることに気付きました。雲が晴れたような、嬉しい気分になり、広報部に再度電話し、イラストが変わった経緯等を聞いてみました。ポスターは六か月毎にリニューアルされることになっており、会議で私の話したような意見も検討され、それも踏まえて今回のポスターができたとのことでした。
 以前の私だったら多分、このようなポスターを見ても無関心で通り過ぎていたと思います。今回は電話をしたことが、たまたま運良く営団地下鉄のイラスト見直しと重なったのかもしれませんが、ささやかな実践が身の回りを良くすることにつながったように感じられた経験でした。


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