今年2月、新潟県の女性監禁事件に対し、心の傷を障害認定とするPTSD(心的外傷後ストレス傷害 Post-Traumatic Stress
Disorder)が適用されました。
被害者の救済の観点からも、画期的な判断が下されたと言えます。
人の心は、思いもよらぬ事故・出来事(暴力・犯罪)・災害(地震・火災・流行病)に遭ったとき、大きく傷つけられます。
そして、その時間を自己の処理能力を超える強烈な体験として、記憶の中に冷凍保存してしまうのです。
この記憶は、時間とともに色あせていく通常の記憶とは異なり、鮮度を保ったままでフラッシュバック(再体験)などのかたちで、心身に苦痛や不安、恐怖や無力感を与え続けます。
これがPTSDです。
一般的には、馴染みのない言葉ではありますが、誰もがPTSDを引き起こす可能性を持っています。
日本では、阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件などで、多くの患者を出し注目されました。
かくいう私も、阪神淡路大震災の被災者であり、5年を経過した今日でも、揺れる感覚がフラッシュバックとして現われ、身体が凍りつくことがあります。
幸い、家族や会社の同僚を含めて、震災体験者が周りにたくさんおりますので、自分の不安や恐怖を言葉で表現することにより、心のダメージが解消されている様子が実感できます。
ところが、新潟の女性の場合は、心の傷である恐怖と孤独を、9年間も1人で背負って生きてきたわけであり、その苦痛たるや、私には計り知れないものがありました。
彼女の“こころの回復”には、長い年月がかかるものと思われますが、今後マスコミを含め、周囲の人々の支え方・接し方により、その苦痛が和らぎ早期の回復が期待されます。
そして人間には、もともと時間とともに心の傷を回復する力があります。彼女自身の力である、自然治癒力と自己回復能力を信じて、強く生きてほしいと切に願います。
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