エッセイ

真の幸せ
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 大学時代の友人から聞いた話である。
 友人は、同僚から仕事を教わる立場にあった部下の一人から相談を受けた。「何を聞いても『自分で考えろ』『勉強しろ』といって教えてもらえない。ミスをすると『こんなことも出来ないのか』と怒鳴られた。そしてついには『存在がめざわりだ。いるだけでみんなが迷惑している。お願いだから消えてくれ』と言われた。別の同僚に相談すると『我慢しろ』『気にするな』と言われるだけ。」
 こんな部下の訴えを聞いた友人は、表面的に「わかった、わかった」と言っただけで、じっくり話も聞かず、実態も調査しなかった。友人は大変な過ちをおかしてしまったのだ。結果的に部下は職場内のスケープゴード的な存在として放置され、ついに出社しなくなった。
 その後、二度と同じ過ちを起こさないように、友人は知り合いの医者のカウンセリングを受けたり、機会あるごとにハラスメントの研修等を受けるようになった。その中で、心に残る言葉があったそうである。「真の幸せは、他人に思いやりを与えることから得られる。だから攻撃している人達が、人間としての真の幸せをつかむことは絶対にない。」
 それ以来、職場の改善が上手くいかず、同じような相談を部下から受けた時は、じっくり話を聞き、この言葉を自分の言葉として伝えたいと友人は思ったそうである。

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